情報化工事業への脱皮への提言

H11.04.01

このページは、空調衛生設備工事業における情報化について業界有志が、将来を託す業界への脱皮を期待してまとめた提言である.

目次

T.はじめに

U.情報化の背景と現状
1.国際化と市場の構造的変化
2.入札・契約方式の多様化と問題点
3.生産性の向上BPR
4.情報化の波(CALS/ECCI-NET)
5.新しい空調衛生設備工事業の領域と他業種の参入
6.地球環境保全への寄与(省エネルギー、長寿命化)

V.情報化への対応(何をすべきか)
1.情報化とOA化の違い
2.情報リテラシーの必要性
3.情報システム管理者の役割
4.業務の再構築とトップの意志
5.全社的情報化の推進
6.情報化の投資

W.今後の課題(業界&企業)
1.設備主導D&B・CMの研究
2.共通化・標準化への参加と新生産システム提案
3.協力会社全国応募ネットワークの構築
4.共同人材プール機関の設立
5.新設備産業イメージ・コンセプトの構築

X.おわりに

実務者向け情報化による業務の具体的な変化

1.基幹業務における情報化
2.営業活動における情報化
3.経理・購買・人事における情報化
4.設計技術業務における情報化
5.工事現場における情報化
6.情報インフラの整備

パンフレット

用語説明


T.はじめに[Page Top][Back]

21世紀を目前に世界経済は、ヨーロッパ統合(EU)に始まる大きな市場の変化に直面している一方、日本経済は戦後最悪の深刻な不況の中にあるといわれている。

このような情勢の中、産業界は企業淘汰や合併、あるいは系列の再編など生き残りを掛けた構造改革の必要性を迫られ、今や戦後経済体制の大きな枠組みに変化が起きていると言って間違いのないことである。

我々、空調衛生設備工事業界においても同様に、強い企業と弱い企業の二極化傾向が顕著になり、21世紀を生き抜く企業体質を作り上げるには、情報化への対応を早急に行い経営の効率化を計ることが、まず淘汰の時代に耐え得る企業構造を実現することであると言われている。

そのためには、業界と企業が一体となり適正な価格での受注(利益)の確保と業務の効率化の推進、財務体質の強化といった経営課題への取り組みや組織のスリム化などの徹底した固定経費の削減や直接原価の低減に努めるなど、深刻化する価格破壊を克服し、適正利益の創出や生産性の向上を推し進めることが必要となっている。

(文章一部削除)

経営者の方々に対し、我々若輩の者が情報化をキーワードに経営に関わることに言及していることは、非常に僭越な事と懸念されるが、21世紀に向けて空調衛生設備工事業の新たな発展の礎を築くため、現状を真摯に捕らえ検討した内容として、「情報化のビジョン」として提言する。是非とも、ご一読願いたい。

U.情報化の背景と現状[Page Top][Back]

1.国際化と市場の構造的変化 [Page Top][Back]
日本市場は、世界経済、地球環境との共存の意味合いからウルグアイラウンド・WTOの強い是正要求等に対し市場のオープン化が迫られている。また、建設市場おける空調衛生工事業に対しても他の業界と同様の変革が求められており、品質や環境ISOを初めとするグローバルスタンダードへの対応や、電子調達に代表される販売や営業活動における業務の電子化等への対応など、各企業それぞれにおける存在理由を明確にした経営理念の構築と新たな戦略、戦術の構築を迫られている。

経済のデフレ化と共に、企業利益は低迷し民間設備投資は縮小されている。建設業界はこの影響を大きく受け、総合建設会社、空調衛生設備会社とも大幅な減益となっている。これまでの日本経済は、不景気は短時間で回復軌道に復するのが常であったが、これからの成熟経済の中では低成長が基調であり、過去のような急速な景気回復は望み難く、極端な低成長、もしくは横ばいかマイナス成長さえ予想されている。また、産業界全般に言えることだが国際化と少子化・高齢化という二つの構造的問題に挟撃され、結果、国際化に伴う旧来の諸規制撤廃と価格競争や少子化・高齢化に伴う社会資本余剰化と言う形で現れてくる。

国際化、規制緩和の流れに伴う建設市場の変化は、空調衛生設備工事業においても同様な変化を求められており、これをビジネスチャンスとしてとらえれば、大きな飛躍も考えられる。

仕様規定から性能規定への変更とは、どちらかというと、今まで新たな施工方法、技術を投入しにくい業界が、技術研究開発に意欲を持ち、特許・実用新案などを持つ「技術型企業」に移行し、その力を発揮させやすい状況に変化させていくことである。

国際標準化機構(ISO)の9000S(品質)、14000S(環境)は、グローバルスタンダートの時代に、組織としての、品質・環境への取り組みを 国際的に認められたルール・手法で標準化していこうとするものであり、認証されれば、国際的に通用する企業として認知されると同時に、同基準を取得した顧客と 同じ基準・仕方で仕事を提供できるという、顧客満足度(CS)に対応した企業になれるということになる。

『社会環境変化に対応した経営方針の提示が重要である。』

2.入札・契約方式の多様化と問題点 [Page Top][Back]
行政情報化推進基本計画(平成6年12月閣議決定)それに続く、行政情報化推進改定計画(平成9年12月閣議決定)に基づいた、行政機関の情報の開示は、着々と進められ、建設省においては、平成7年4月の建設産業政策大綱、平成8年4月の建設CALS整備基本構想等で情報化・オープン化について政策として打ち出し、目標として2004年には全ての直轄事業に「電子調達」を活用することとし、電子入札・調達・EDIによる契約事務の執行などが行われることとなっている。

新たな入札・契約方式の導入は、発注者が求める「トータルコストで良いものを安く」を提供し、国民が求める「透明・競争・対等・効率」を実現させることを可能にするため、各企業が保有する技術力や資金力を活用し、従来の入札・契約方式だけでなく、対象工事の性格、施工会社の状況等に応じ多様な入札・契約方式の中から特徴を生かした、最適な方式を選択できるようにすることを意図している。現時点で新たな入札・契約方式としてその導入が試行的に実施さているもの、あるいは建設業界で検討が行われているものを以下に示す

・入札時VE(技術提案型競争入札方式、技術提案総合評価方式)

・契約後VE

・設計・施工一括発注(D&B)方式

・CM方式(ピュアCM、GMP付CM)

・PFI

このように建設市場の構造変化、即ち建設投資の減少や国際化への対応等の急激な変化に伴い、公共事業においては、多様な入札・契約方法、工事管理手法が検討され進められている。

従来からの課題として一括発注と分離発注の問題がある。民間工事では、施主に対する総合建設会社の営業力が空調衛生設備会社より格段に強く、分離発注(コストオン含む)の比率は約40%に止まっている。空調衛生設備会社が総合建設会社と対等な立場で工事を施工していくためには、施主に対し十分に理解を求める必要があるが、分離発注への要求が従来までの設計、元請け、下請け、メーカーによる階層的ピラミッド構造による業界体制を前提としたものであるとすれば、業界の内部に大きな問題を内含していると言わざるをえない。

新たな契約内容を含め、透明性、客観性、効率性、競争性を確保する為には、新たな経営環境の元で、建築生産システム(プロセス)における空調衛生設備工事業の役割と責任を明確にし、顧客要求に即した品質の確保とコストの縮減を図るという観点での 業界体質の転換が前提となると考えられる。

今まで曖昧だった契約内容、見積もり内容も丼勘定から合理的内容に改革し、施主、設計事務所、総合建設会社、専門工事業者、協力会社各々が仕事の適用範囲を明確にし、業務逸脱せずこれまで無償で提供してきた各種の業務に関するソフト分野をフィービジネスとして認知していくこと、その結果得るものを利益とする業務体制を作り上げていくことが重要である。

このことは設備工事会社(空調衛生設備会社)が協力会社(下請け)に対し、現状の曖昧な契約や見積もり内容を、今までのスタイルで継続していくのであれば、いくら透明性、客観性、効率性、競争性を説いても単に自己への利益誘導を優先させることとなり、従来の建設業界の考え方から脱却できないことになり問題の根本的解決にはならない。

『公平な契約と適正な価格が適正な利益を生む。』

3.生産性の向上とBPR [Page Top][Back]

社会環境変化に対し、建設業界は企業競争力の強化と業界秩序の再編成が求められているが、これらの課題は「建設産業政策大綱」に次のように具体的に示されている。

・「エンドユーザーにトータルコストで良い物を安く」

・「技術と経営に優れた企業が自由に伸びられる競争環境の実現」

・「技術と技能に優れた人材が生涯を託せる産業の創造」

厳しい経済環境の中で企業が生き残るため競争力を強化するには、コスト管理能力の向上や資機材調達の合理化、施工・生産システムの革新を通して低コスト化の推進が必要であり、受発注業務の効率化や、品質保証体制の強化、生産管理機能の強化などを通して基幹業務における生産性を高めることが必要である。

このように各企業は、一層の品質向上と原価低減によるコストの削減を行うと同時に、企業組織を見直し、職能と業務範囲を確定し、人員の適正配置を行う必要がある。近年各企業で進められている「リストラ」は、現状の業務プロセスの上での人員削減に捕らわれ「人を活かす」のではなく「人を削る」ことのみに目が向けられている傾向である。これでは生産性の向上を図ることが出来ない。今、必要なのは現状の業務プロセスを否定し、原点に立ち戻り企業としてのビジョンを構築し、企業内業務・構造全体の抜本的な経営改革を行うBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)であり、このBPR達成によるスリムな企業体質作りと、今以上の企業競争力の強化しかない。

この事は建設産業独自の新しい効率的生産システムを構築する事であり、情報通信技術を活用し、関連企業や現場との連携をはかり、業務のコンカレント化を推進し、短工期・低価格・高品質の建築設備を供給できる体制へと転換をはかることである。

即ち、国際化、情報化等の外圧を受け身で捉えるだけでなく、これを企業体質転換のチャンスとして積極的かつ、いち早く取り込みBPRを成し遂げた企業が生き残れる理である。

『情報化をツールとした企業経営には、現有の業務体質の変革がキーワードとなる。』

生産性の向上に適した組織・人員の実現、企業のスリム化を進めると従来までの年功序列、横並び人事が機能しなくなる。その結果、能力評価(成果の評価)、年俸制、スペシャリスト制度への移行が進み人材が流動化し、これにより終身雇用制度は崩壊し、さらに人事的には能力(成果)報酬の考えのもとに客観評価制度が重要性を帯びてくることになる。年功序列の評価では機能しにくかった能力別(成果)客観評価は、今後それなしでは社員モラルや倫理観の低下をもたらし、新しい企業体質へ脱却した企業の人事管理の評価手法としても、また生産性の向上手法としても情報技術の活用が重要な位置を占めることになっていく。

『年功序列型人事制度の崩壊は、過程をも評価した従来評価から成果のみを評価する実績評価への転換である。』

4.情報化の波(CALS/EC、CI-NET) [Page Top][Back]

建設省では、協調的効率化と競争の公平性、明確性、透明性の向上を目的として、1997年6月に「建設CALS/ECアクションプログラム」が発表され、2004年には建設省における調達業務のすべてに電子調達の完全実施が計画されている。この計画が予定どおり進めば、物件の情報取得から受注・施工・運用管理に至るあらゆる行為が電子化されることになる。この電子化への対応を誤れば、物件を受注することはもちろんのこと、情報を得ることすらできなくなってしまう。

さらに電子情報交換の標準化ルールづくりは、(財)建設業振興基金におけるCI-NETが建設業界のEDI化を押し進めており、(文章一部削除)

また、建設CADデータ交換コンソーシアム(C-CADEC)はCADデータに特化したEC(電子商取引)の推進を目標として活動しており、JACIC((財)日本建設情報総合センター)では「CADデータ交換標準開発コンソーシアム」が組織され、2次元CADの国際規格によるトランスレータの開発に着手している。

同時に、ビル設備制御システムにもオープンプロトコルの波が押し寄せ、欧米で業界標準になっている自律分散型制御技術「BACNET・LONWORKS」といった仕様が注目を集めている。

(文章一部削除)

『情報化の外堀は、埋められつつある。情報化の特急券の確保はお早めに。』

5.新しい空調衛生設備工事業の領域と他業種の参入 [Page Top][Back]

空調衛生設備は最早社会的インフラストラクチャーとなり、それ自体が顧客に対し、特に特徴的な付加価値を与えるものというよりは、むしろ建物としての最低必要機能の一つとなっている。これは、「インフラである設備は、常時停止することなく機能を維持し続けることが要求されている」ことを意味している。 即ち、設備は快適な空間を提供する必要不可欠なものでありそのライフサイクルを通じて、機能維持を行わなくてはならない。近年の低成長、地球環境保全等の動向を背景とした施設管理は、経営的立場に立ったファシリテイマネージメントの考えを取り入れ、いかにライフサイクルコストを削減するかといった考えに変わりつつある。これは、いわば建設産業から維持管理といったサービス産業への転換とも言い得よう。こういった要求から建築設備関連領域に他産業種からの参入価値も生じているわけである。

特に、メーカーや通信インフラを持った事業者などの市場進出は、いわゆる機器の点検保守といった分野から新規事業へ派生させ、各社が持つ長所を利用し24時間監視・管理などを低コストで顧客に提案するサービスを提供する企業として登場し、我々業界と非常に激しい競争をすることとなる。

リニューアル、メンテナンス、ESCO等の事業は、施設が引渡されて以降、これらの運用データとメンテナンス(修繕を含む)・運転に関わる情報を基に、施設を管理することである。その中でもリニューアルは建築、設備のあらゆる技術が必要とされ、特に設備への要求は頻度も多く複雑である。

まさに「リニューアルの主役は建築設備」である。

また、リニューアルの発注業務は、施主にとって煩雑を極めることになるため、「リニューアルこそCMが最適な情報化時代の業務体制」であるということである。さらにESCO事業のような施設運用をマネージメントする事業は他業種を含めた複数の企業が業務分担するバーチャルカンパニーとしての形態を採る場合も考えられる。

つまり、空調衛生設備工事業、総合建設会社、メーカー、他業種それぞれがリニューアル、メンテナンス、ESCO等の事業への道を模索している段階と言える。

さらに、企業戦略として当たり前のことと思われていた「お客様本位の経営、つまり顧客満足(CS)経営の実践による差別化」が注目されているが考えてみれば可笑しな事である。これは、従来の「良い物さえ作れば必ず売れる」とする考え方が強かったことや情報管理能力が未発達だった為、顧客データを迅速に処理することができず、その活用が難しかった為である。しかし、現在の企業経営における差別化のキーポイントは、やはりCS(顧客満足)を如何に提供できるか、つまり企業が顧客に提供する総体的な価値を最大化することである。顧客満足(CS)データを収集・把握・分析し日々の経営に生かす努力が必要である。

このような状況での空調衛生設備工事業は、設備専門企業として自社の持つ競争優位の技術と蓄積してきた知識、ノウハウにさらに付加して、多様化路線で新たな市場に取り組むか、縮小傾向にあるこれまでの新設工事市場で他社との差別化を進めてその優位性で市場を獲得していくか、さらに専門技術分野に特化するのか、あるいはゼネコンが進めているCMの方向へ向かうのか、何れの道を選択するにしてもそれぞれの会社の経営判断であるが、少なくとも建設業界という既成の環境の中からの脱却も視野に入れた判断も必要になってこよう。

経営判断にはスピードが重要である。リニューアル・メンテナンス市場について言うならばまだ事業としてのサービスが確立していない市場である。従来までの右肩上がりの市場であれば二番手でもそれなりの利益があげられたが、この市場は最初から既存建物を対象とするという前提がある制限市場である。ここでは顧客が満足する市場ルールを確立したものだけがそのスピードとサービスで圧倒的な支配権を得る可能性がある。競争相手は同業他社ばかりではなく、他業種からの参入者なのである。

『新たな市場は、サービス産業への転換を意味する。』

『空調衛生工事業におけるCMは、情報ネットワークで繋がった高度情報組織の活用から』

6.地球環境保全への寄与(省エネルギー、長寿命化)[Page Top][Back]

1992年リオデジャネイロで開催された地球環境国際会議において「持続可能な開発」が提唱され、全産業に於いて、地球資源の多消費と廃棄物が注目された、酸性雨や地球温暖化問題を筆頭に、地球環境への負荷の少ない開発、いわゆる「持続可能な開発のために、資源循環型社会を実現する」(サステナビリテイ)が叫ばれている。1990年の調査では、国内のCO2排出量は全産業の内、建築関連が36%をしめ、建物のLCCO2の内、3分の2が運用エネルギーであった。

「環境問題への取り組み方」が、これからの経営手法の柱のひとつになり、省エネルギー対策や廃棄物低減対策等の技術提案・実践が出来ない企業は21世紀に生き残れないであろう。

「100年建築」が言われる中、建築物の「長寿命化」は有効で効率良いリニューアルによってのみ達成される。廃棄物の削減や省エネルギーなどの環境への配慮としてのリニューアルには、建築のすべての技術が必要であり実際の工事では、その「計画、設計、施工」に際して新築工事とは比較にならない「精密な工程管理」が要求される。将来のリニューアルを考慮した施設として階高を高くし配管配線メンテスペースを確保したり、 PSを更新可能なレイアウトにしたり、耐久性の高い材料を使用する等、更新可能なシステム設計を、高度な技術と経験を基にして提案していくことが地球環境問題に寄与することになる。

まさに「効率良いリニューアルが、地球環境保全寄与の一つ」である。

『地球環境を考慮できない企業は、21世紀に存続する意義はない。』




V.情報化への対応(何をすべきか)[Page Top]

1.情報化とOA化の違い[Page Top][Back]

情報化について話をする時、「OA化」と「情報化」がイコールと混同され勝ちである。単にパソコンや表計算ソフトなどを導入し個人レベルの業務処理の効率化をはかるのことが「OA化」であり、社会標準を視野に入れた全社的な標準化のもとで、整備されたネットワークを基に蓄積されたデータベースを共有し、利用することにより企業活動そのものが社会環境の変化に常に追従出来るように、変革していくことが「情報化」であると言える。

したがって、情報化とは企業の経営方針に則った「経営の生産性向上」を目指して行うべきものであり情報技術の効果的な運用により、経営のレベルと情報密度を上げ得た企業こそが、21世紀に生き残っていくことになる。

『情報化とOA化は、全く異なった次元である。パソコンを使うことが情報化ではない。』

2.情報リテラシーの必要性[Page Top][Back]

企業の情報化は、社内における情報システムの構築がなされネットワーク利用が普及してもこれで終わりではない。特に紙と電子の情報を共存させると今まで慣れている業務処理方法に頼ってしまい、進んで情報化に対応して行こうという機運は生まれてこなくなってしまう。

ネットワークとPCの利用は今までは手に入らなかった情報を入手できる環境をもたらしたが、業務として役立たせるには、全社的業務の役割分担の正確な現状認識と将来の業務体系のポリシーを持たなければならず、部署毎、プロジェクト毎に対応した継ぎ接ぎだらけでは、成果が上がらない。コンピュータで働く人の意識を変革することはできないし、極論すると紙でしていた事以上のことはできない。つまり、ただ単にコンピュータを与えただけでは、何も生まれない。企業として、全体としての絵が描ける人が責任者となり、構築していかない限り、果てしない道が続いていくであろう。

情報システムの構築は、社内のどこかで不作為または作為的に捨てられていた情報、集めることが非常に困難と思われていた情報、量が多すぎて分析できなかった情報などを役員や管理職自身が分析することを可能とする。このような情報処理が業務改革に結びついたとき、初めて真の情報化の意義が現れる。つまり、役員や管理職自身も情報を集中させるだけでなく、積極的に情報を開示し、双方向に情報が流れるようにすることが必要である。

情報の一極集中は、新たな封建制を生むことになり、企業の情報化戦略に逆行することとなる。

その為の情報リテラシーの向上は、単にパソコンを使うということではなく、情報共有と利用形態の多様化と情報発信能力、情報知識化能力の向上である。このためには企業トップが経営方針に則った情報化に対する方針を示すと共に、自らが情報リテラシーの向上に勤め、社内に徹底させる必要がある。

同時にシステムを有効に使うためネットワークに接続する社員には、恒常的なネットワーク利用技術の教育が必要である。基本的なキーボード操作(パソコン操作)、文書作成、表計算、基幹システムの運用,電子メールによる情報伝達,インターネット操作等から取得した情報の活用方法、ネットワーク利用に関するエチケットに至る学習が必要である。特に電子メールについては情報のセキュリテイ、情報伝達のルール化、社内秘密情報のガード面で注意が必要である。

情報化を進め「経営の生産性向上」を目指すには、「人的/物的情報化」に取り組むことが重要である。「人的情報化」とは、企業を構成している「人材」が自らの業務の効率化を常に考え、提案し行動できる意識への改革と人材育成による「企業内情報文化」の確立を示す。また、「物的情報化」とは、企業内情報インフラとして、遠隔地を瞬時に結ぶ「ネットワーク」を構築し、「人的情報化」をサポートする体制作りと、従来の紙情報のデジタル化による共有・リサイクルを行う「情報技術」の採用を推進することを示す。

この様に企業経営方針を改革する上では、「人的/物的情報化」が重要な役割を担うものである。

『真の情報化は、雑多な情報の中から真に有効な情報を選別し、価値を付加することが出来る情報選別能力を身に付けることから始まる。』




3.情報システム管理者の役割[Page Top][Back]

情報化を進める上で重要なのは、従来のインフラ整備担当者という役割ではない情報システム管理者の存在である。この管理者は、前項のように情報を有効利用するための教育者であり指導者であり管理者であると共に社内の先進者としての役割も求められている。情報システムが構築され情報機器を利用する社員が増加すると、パソコンの立ち上げ設定やソフトウェアの使用方法などをサポートする組織やヘルプデスク業務が必要となり、情報システム部の要員のみでは対処できなくなる。

そのため、部署や拠点毎に基本操作教育とトラブル対応が可能な人材(キーマン)の育成と一部業務のアウトソーシングも念頭に入れておくことも必要である。さらに蓄積された共有情報を死蔵することなく、全部門に於いて有効に活用するシステムの構築も業務の一つである。

ビル管理業務が24時間のリモート監視となっていることなど、ボイラーマンが常駐していなければならない時代から大いに変化しているが、コンピュータに関係するもろもろの業務のみが社内業務の体勢を占めているのは、ある意味ではおかしな状態である。ユーザーサイドとしては、より簡便に、対処できるハード環境をメーカーやベンダーに要求していくことが必要である。

将来、情報システム管理者が先進的な役割を企業で果たすためには、コンピュータを駆使して企業の製品づくりに参画したり、経営計画を立案したりする立場となれるよう実力や経験を積む必要があるであろうし、情報の管理者が経営者に近い立場にいられる様な、社内人事が必要である。

『全社的情報化の推進は、情報システム管理者による運用・支援に負うところが大である。』




4.業務の再構築とトップの意志[Page Top][Back]

情報化社会における企業には、経営者の明確な経営方針とそれを実行する柔軟な業務組織、そしてそれを素早く実行・支援する情報伝達システムの確立が必要であり、その環境を整備するためには業務の再構築とトップの強いリーダーシップが求められる。これにより従来の部門毎に孤立していたプロセス情報が統合され、営業、設計、積算、購買、工事部門まで一気通関で情報を共有し、同時並行して共同作業(コンカレント・エンジニアリング)する事でビジネス・プロセスの短縮化、合理化が計れることになる。

しかし、現実は情報を個人で握ることにより企業内における個人の価値・評価を高められると考える人が多い。この情報に対する人事評価が変わらない限り、本来の「フラットな組織構造」にはならない。建設業の本来の生産システムの姿は「フラットな組織構造」が最適であると言われており、情報化とは、相通じるものがあるが、それらを阻害しているものを白日のもとにさらし、排除していくことが21世紀に向けての建設産業を考えていく上で重要である。

情報システムが構築されてもコンピュータはあくまで、人間が「明確な意志」のもとに運用しなければ、ただの高価な箱に終わってしまう。また、仕事の内容・手順がこれらシステム処理に合わない限り、その効率を最大に発揮されることはない。よくシステムを導入した後、その成果が得られないと言う話を聞くが、それはその組織なり仕事がコンピュータに向いていないか、組織なり仕事の手順が効率を発揮させるようになっていないからである。

つまり、コンピュータを動かすのは人間であり、その集合体が組織であるため、当然ながらその性格・特性に合った仕事しかできない。情報システムの導入を責める前に、運用する組織や手順の見直しを行うべきである。

コンピュータの能力を如何に発揮させるかは、利用する「人間」の能力によるのであり、あくまでもコンピュータは人間が使う道具でしかないことを認識しなくてはならない。

縦割り組織の部門間調整は、「情報化」する事により、各部門システムの連携がとれ、確実にその壁は崩れていくことになる。これがリエンジニアリング(業務再構築)である。

しかし、思考することと業務の流れを方向付けることは、単に情報機器の 導入だけでは目的は達成できない。情報システム部署の担当役員等が会社の経営方針や行動方針の決定に参画し、それに合わせたシステム改善や運用を行っていく事が必要である。

どの企業も情報システムの導入当初は、部門間のセクショナリズムの壁や、コンピュターそのものに対する強い抵抗に合うはずである。特に既に現行業務に長い実務経験を持つ中高年のミドルマネージメント層に大きな抵抗があるのが一般的であり、これをクリアし情報化の必要性を理解させ徹底させるには強固なトップの意志、トップマネージメントが必要になる。情報化を企業戦略に位置づけている成功企業の多くは経営トップの強力なリーダーシップにより、業務プロセスはもとより、組織改革まで大胆に実行しその効果を高めている。つまり、中途半端な業務フローの改革ではなく組織変更まで伴った徹底した改革でなければその導入効果は上がらない。

『これからの企業経営は、明確な経営方針の提示と強力なリーダシップによる実行なくしては成り立たない。』




5.全社的情報化の推進[Page Top][Back]

日常業務の中で獲得するKnowledge(=知識)は、個人の中に埋もれてしまう事が多く、企業という組織の内での情報獲得の程度にばらつきが発生してしまう。簡単に言ってしまえば、知っている人だけが知っていて、知らない人は知らないのである。最近言われているナレッジマネージメントとは、このような個々に点在している知識を文書化し、例えばファイルして、棚に入れて管理することであるが、この様な従来の紙ベースでのファイル管理には限界があり、情報共有という側面ではベストの方法とは言い難い。なぜなら、蓄積された知識情報が誰にどのくらいの頻度で利用されたかといった情報により評価され、その情報である文書自体の整理がなされなければならないからだ。

『情報の蓄積だけでは役にはたたない。』

我々工事会社は工事施工によって利益を得ているため、工事部門を優先して情報化を進める傾向がある。しかし、利益は営業活動から工事完成までを通して積み上げて行くものであり、直接部門や間接部門を含めた企業活動全体を通して経費を最小限に抑え利益の最大化を図る生産性の向上をさせるものである。このことから情報化は全社を均一に進めて行くことが望ましい。ある部門だけ情報化が突出してしまうと、有用な情報についての全社的理解が得られず、仕事が増えるだけではないかという誤解すら生じることになる。したがって、情報化のための組織は情報担当部門に任せるばかりでなく技術部門(工事部門)、営業部門、管理部門それぞれに担当者もしくは担当委員を置き、各部門間の情報に関する価値観をすりあわせ、全社で最適な情報化推進を行うことが必要である。

『情報化は、全社的な情報の共有と利用により、その効果を発揮する。全社での推進が重要である。』




6.情報化の投資[Page Top][Back]

会員各社は情報化のために多くの投資努力を行っている。しかし、投資による成果よりは経費の上昇のみが目に付き「金食い虫」「必要悪」という目で情報化の投資を見ている経営者もいるのではないだろうか。また、まだ情報化に取組んでいない企業は、パソコン導入の費用対効果に意識が行き、時期を見計らっているのかもしれない。しかし、情報化の費用対効果は計数的に現:表しにくいことを認識する必要があろう。機器導入やシステム開発などの投資によるコストは明確にできても、情報化されたことによるメリットは単純に金額には現しにくい性質がある。

こんな話もある、情報システムの効果には、定量的効果、定性的効果、戦略的効果がある。

定量的効果とは、省力化のような効果であり、効果測定も簡単である。定性的効果とは、各種報告書が迅速に正確になるようなことである。これの効果を把握するには、時間が何日短縮されたか、誤りがどれだけ減ったかのように、貨幣価値ではない尺度で測定し、貨幣価値への換算をすればよい。物理的尺度が設定できないときは、各関係者に多様な角度からの満足度を評価させて、それを定量化すればよい。 戦略的評価では、自社が先行することの優位性、他社が先行するときのリスクを列挙して、その起こる確率とその影響の積和を取ればよい。例えば、他業者がEDI、EC化に対応しているのに、自社が出来ておらず施主への提案書、見積書、打ち合わせ、発注・受注行為ができない。これは対効果算出以前の問題である。

情報化投資の提案で欠けているのは数値的把握である。それは日常的に記録を取っていない事に起因する。仕事にかかる時間の把握、書類回覧時間の把握、これらはビジネスプロセスの改善の必須事項である。これらのプロセスに無関心であってはならない。

それでは各企業は、どこに投資効果を求めるべきであろうか。各社それぞれの経営方針によりその目標効果は異なるが、社会や企業における情報の受発信が、現在の電話や書類によらない情報通信技術の活用に移行していることは明らかであり、その活用が「情報化時代における企業の存続」と「社員の質的な変化」をもたらすことは自明の理である。特に、ネットワークを有効に活用し情報を共有し業務に利用できる社員を育てるには、環境を整えてからでも三年以上かかるという説もある。情報化に取組んでいない企業は一日も早い取り組みの開始が望まれる。

他方、価格競争が激化する中、低コスト化推し進めて生き残るためは間接経費である社内コストの最小化を行うことが必要であり、さらに他業種と競争している同業他社のスピードについていけなければならない。恐らく、多くの会社はこの両方に同時に取りかからなければならないだろう。今までの体験から、情報化についてもほかの会社の様子を見てから取りかかればよいと言う二番手主義がある。しかしここで注意しなければならないのは、先にも述べたように、競争相手は同業だけではないことである。

『情報化投資の費用対効果を早急に求めてはいけない。情報化を行わない負の効果を認識するべきだ。』

情報化の有効性を論ずるとき、上流から下流まで情報が伝達されるシステムが機能しないと情報化による相互メリットは出ないと言われるが、まさしく中小企業が情報化に遅れることは、上流下流共にメリットが薄れることを現している。大企業はシステム構築に莫大なコストを必要とするが、中小企業に於いてはインターネット等が容易に活用できる環境が整備されつつある現在、誰でもが欲すれば同じ情報を得られるようになり、自社の優れたアイデア、技術を大手企業と同格に世界に売り込む格好のビジネスチャンスが到来したといえる。情報化による相互メリットとビジネスチャンスの拡大のためにも、効果的な情報化システムの構築と運用が望まれる。

情報化の有効性のひとつにデータの共有が考えられるが、積算を例に挙げれば、今後見積数量はCADによるデータ入力により見積り数量が一定不変の数値となり、各社共工事項目、見積数量が皆同一となりデータ共有化による業務区分の中で正当な利益を、技術力で生産していくのが今後の仕組みと考えられる。このことは設備工事業の主張である「分離発注の推進」と同じ効果を生ずる可能性を示唆しており、情報化の役割を考える上で象徴的である。




W 今後の課題[Page Top][Back]

ここまで情報システムの構築の必要性について述べてきたが、今我々は大きな問題を突きつけられている。

そのひとつは、建設投資の構造的変化、公共投資の削減、民間投資の低迷と質的変化と言った景気の後退の中で、企業としてどのように対応していかなければならないのか。

ふたつめは、国際化、グローバルスタンダードといった規制緩和、自由競争の時代を迎え、業界の形態やその仕組みに対し、その対応を模索しながらも、高齢化、少子化、人材の流動化、海外企業の国内進出といった環境変化に対応して業界、企業の進むべき道をいかに見いだすか。

みっつめは、環境負荷をこれ以上増やすことができなく、従来的な経済成長は許されない中で業界のとるべき方向を見いだすこと。(脱工業化、産業のソフト化または情報化、環境ISO)

であるが、この3つのテーマを同時に論じその解を求めることは非常に難しいと言わざるを得ない。現在の厳しい社会情勢の中で我々の市場を確保する意味での「分離発注推進」の発想は一つの手段ではあるが、今後を考えたとき「分離発注方式」による市場の確保という手法自体がもはや意味を持たないかもしれない。なぜならそれは「分離発注方式」の意味するところが「情報化社会以前の従来の業界体制を前提とした方式」だからである。

同様に我々設備工事業界が新たな事業展開として「CM」を検討するにしても、もし従来の発想の上で考えていくならば、先んじて行動している総合建設会社 に互するものではない。

我々は何としてでも、この厳しい時代を生き抜かなければならない。更に社会が求める「情報化」がもたらす「価格の透明性」を基にした「新しいビジネス」を創造せねばならない。業務改革には自己都合を追求するばかりでなく、将来の改革後のリスクも付き物であり、この認識を持つことと同時にその対策をも練っておかなければならないだろう。今後、業界が新たな展開をする上でも、早急に対応しなければならない課題を以下に示した。




1.設備主導DB・CMの研究[Page Top][Back]

公共工事における設計・施工一括発注(D&B)方式は、「特殊な施設等に対し、個々の工事会社が有する特別な設計・施工技術を一括して利用する」ことに主眼を置いているが、民間におけるD&Bはどちらかと言うとCMを意識した一括受注に近い。

CM方式とは発注者の代理人あるいは補助者として、発注者の利益を守る立場から、設計検証、品質管理、工程管理、コスト原価管理等の全体または一部についてマネージメントを行う方式であり、現在総合建設会社を中心に展開されようとしているCMについても「各役割と責任が建築プロセスの中で契約形態も含め明確」になれば、建築設備工事業の技術力がより求められ、蓄積したノウハウを発揮できる分野も多く、新たな可能性がありメリットある方式と考えられる。CMを行う集団、個人CMR(Construction Manager)への参画は設計事務所や、総合建設会社が計画中で、技術力のあるCMRはさらにアットリスクCM(リスク付きCM)や最高限度保証額(GMP)付きCM等を推進しようとしている。建設省は管理者不足の地方自治体には当座「建設コンサルタント」や「建築技術センター」「建設技術センター」への委託業務で対応を考えているが、設備工事業も参画できる可能性は十分にある。 どの場合でも建築生産システム(プロセス)における役割と責任を明確にし、その中で透明性、客観性、効率性、競争性を確保する事により、品質の確保とコストの縮減が図れ、初めて効果が認められるのである。




2.共通化・標準化への参加と新生産システム提案[Page Top][Back]

CI-NET等の建設業界のEDI(電子データ交換)化に対しては、協会として業界の将来を見越し、投資効果を的確に判断し、業界の総意としての意見として主張していくことが必要である。現状のCI-NETの実施は総合建設会社にデータが集中し川下の我々空調衛生設備工事業者や協力業者にメリットが少ない状況下では、協会が設備業界を代表して行っている「建設業界への対応」として不十分である。

建設業界全体が参画でき、相互にメリットが約束できる方法を打ち出せなければ本当の問題は解決しない。

これからの空調衛生工事業界が、国際化の中で「独自性」を持った業界として生き残っていくには、他業界、団体、協会との相互協力と連携が必要であり共同で諸問題を解決していく前向きな活動を行って初めて、空調衛生工事業界が広く一般社会から公平な、開かれた業界であることの認知を受けられる。その為にも協会ばかりでなく会員を含めた総合的な努力が必要である。

情報化が進み従来と異なる生産システムの出現を考えたとき、まず頭に浮かぶ工業化工法は、工場で資機材を加工・組合せ、現場で組立て・据付ける工法である。これらは機器、器具、管材などの組合せにより、プレハブ(管材)、キット(器具・管材)、ユニット(機器・管材)、システム化(機器・器具)、パッケージ(器具・機器・管材)に分類される。

空調衛生工事業では、更なる生産性の向上とサスティナビリティを図るため、工業化工法に加えトータルな「情報技術を活用した生産システム」を主体的に造り上げることが必要になってくる。

実際に現場で施工する技術者・技能者は、少子化・高齢化を背景に単能工から多能工へ変化し、さらに安全面や作業効率を考え、コストで折り合いが即けば、機械化・ロボット化への道も開けてくる。

施工計画・施工図作成・現場管理などについて、机上の管理だけでなく、実際の現場での作業方法・品質管理の方法(施工管理)など、総合的に情報技術を利用した効率的生産システムが求められている。それは、あたかも工場で製品が作られるような、コスト・品質管理を伴った生産システムとなるのかも知れないし、複合工業化に向かうのかも知れない。

顧客ニーズを優先したサービス業として意識を持ち、自らの手で、空調衛生工事業の労働集約型生産システムから情報技術を活用した知能型生産システムにシフトすることにより、建設産業の中で近代化された産業に脱皮することは間違いない。(建設産業だからといって、3Kでない工事業があってもいいのでは)

これら、情報技術を活用した「施工技術」の革新が具体化していく時、初めて空調衛生工事業という施工業で「情報化」が認知されるのかも知れない。




3.協力会社全国応募ネットワークの構築[Page Top][Back]

当業界では現在各企業がそれぞれ特定の協力会社を抱えている。しかも、どちらかといえば地域密着型である。しかし、社会全体ではインターネットによる電子商取引が盛んになってきており、一部の総合建設会社では既にホームページに発注条件等を掲示することにより、全国から自由に応募してもらう事例が紹介されているように、特定の施工現場のみの協力会社を決定する仕組みとしては非常に有効である。しかも、下請重層構造の改善につながり、コストの削減にも有効なシステムである。




4.共同人材確保機関の設立[Page Top][Back]

建設業界全体に言えることだが、少子化・高齢化社会の影響をこれから非常に大きく受け、人材をいかに確保するかが業界の最大関心事のひとつである。しかし、人材確保が企業の最大関心事であるにも関わらず各企業にはそれぞれ独自の人事制度・給与制度があり、高い専門能力を持ちながらも定年を余儀なくされている。若年技術者の確保と技術の継承を行っていくためにも、熟練した専門技術者の有効活用を計る人材プールシステムが必要である。専門能力別に人材を登録しておき、必要に応じて各企業に派遣できる仕組みと若年技術者への技術の継承を行う機関を設けることは、結果として業界全体の技術力の維持と人材の確保に繋がり、延いては業界が潤うことになる。

熟練技術者の技術と経験は、何者にも代え難いものである。




5.新設備産業イメージ・コンセプトの構築[Page Top][Back]

今や「地球環境」時代であり、当業界も単にビル設備における「建築設備」に止まることなく、都市をはじめとする地球環境全体の快適環境の創造を追求する時代である。従来から我々空調衛生工事業者は「水」や「空気」「土壌」を含めた環境問題に従事しており、近年の「地球環境問題」も「環境負荷の少ない開発」として、いち早く対応を行って来たものである。したがって21世紀に向けて、空調衛生工事業の「新しい産業イメージ」および新設備産業のコンセプトを作ることは「地球環境時代」に対応してきた当業界が行わなくてはならないことである。




X.おわりに[Page Top][Back]

国際化と市場の構造変化の中、従来までの業務形態が情報化をキーワードに多様化・複雑化しており、この事業環境の変化に対応して企業が存続していくためには、建設産業独自の新しい効率的生産システムを構築し、情報通信技術を活用して関連企業や現場との連携をはかり、業務のコンカレント化を推進して行き、短工期・低価格・高品質のものを供給できる体制へと転換をはかることである。

現代文明は、「工業化時代」を経て、情報化の時代を迎えており21世紀は、高度情報化時代と言われ情報の活用段階に入る。いかに早くこの高度情報化時代にふさわしい企業経営に変革していくかが、将来に向けて業界が発展していくために与えられた大きな命題である。

21世紀に生き残れる企業として、今企業が行わなくてはならないことは情報化時代の大きな潮流を見極めることで、その情報化時代のキーワードは、「ネットワーク」と「情報の共有化」である。

このキーワードのもとに社会全体では、どのような変化が起きているかを捕らえ、それを投影させる形で当業界のことを考えるのが最も早道であると思われる。

このまとめは、空調衛生工事業を取り巻く環境の変化を把握し、企業のあるべき方向性と情報化のあり方をビジョンと言う形の提言としてまとめたものである。

本提言の内容には、経営者に対してあるいは生々しく、刺激的と思われる表現が散見されることと思う。

この提言をまとめるに当たり、空調衛生工事業が置かれた厳しい環境の中で、何とか今後の方向性を見いだしていきたいという作成メンバーの熱意の所業とお許し願いたい。

また、本提言は、空調衛生工事業の中で、空調工事または衛生工事を一括して請け負う企業を対象とした内容に傾斜したものとなった。企業の独自性をもとめた業務の多様化は、必須の方向であろう。多様な目的を有する企業が、それぞれの企業理念に応じて、情報化の方向性が異なるのは当然である。空調衛生工事に係わる様々な企業においても、本提言が示唆を与えるものであることを期待したい。




実務者向け 「情報化による業務の具体的な変化」[Page Top][Back]

「空調衛生工事業の事業環境の変化への対応と情報化」では、21世紀に向けた事業環境の変化に対応した企業へ「情報化」をキーワードとして業務変革について述べた。

ここでは、「情報化」により変化する業務について、代表的な業務について具体的にその変化について述べる。

1.基幹業務における情報化

2.営業活動における情報化

3.経理・購買・人事における情報化

4.設計技術業務における情報化

5.工事現場における情報化

6.情報インフラの整備

1.基幹業務における情報化[Page Top][Back]

最近、行われた郵便番号の7桁化や携帯・PHSの電話番号の変更、更には西暦2000年問題への対応等、コンピュータとは直接関係しない業務でも、その対応には大変な労力が必要とされた。

勿論、各社の基幹系や情報系システムにおけるこれらの対応のため、システム変更に伴う開発の労力やその費用は、膨大なものとなっていると予測される。

このような変更を必要とする問題と同様のものが各企業のシステムにおいても起こっているのではないかと思われる。それは、現状のシステムにおいて、物件数などの増加に伴い現在持っている物件コードの桁数が足らなくなってしまう事や他業務との連携をとる時、コード体系が異なる為簡単には連携できず全社ベースで経営情報がタイムリーにつかめなかったりする。また、システムの拡張がこれ以上不可能な状態に陥ってしまている等である。

新規にプログラムを開発する時、部分的な業務開発のみに固執し他業務との関わりを考慮せずに、継ぎ足し継ぎ足しで各業務システムを開発し、いつのまにか大規模なシステムになってしまい、その結果各業務との連携や機能アップが不可能になり、結局はシステムの見直しや大規模再構築が行われたりしてはいないだろうか。

会社の規模、事務・技術、集中・分散処理に関わらず企業の中核としての基幹業務の全社統一とその標準化はシステムが拡張すればするほど重要になってくる。

又、グループウエアーを利用した非定型業務への情報化もますます発展利用されるであろう。

1-1.基幹業務の全社統一

データおよび情報を全社ベースでの一元管理の確立を目指すには、顧客情報を中心とした受発注・経理・予算・施工・人事業務等、全てのシステム間において事務・設計・技術・現場間で共通のコード体系の持たせるように統一することが重要である。

そのデータをなんらかの方法で集中一元管理することによって,様々な切り口で経営判断に必要な情報を迅速に把握する事が出来る仕組みが可能となる。

また、システム開発を社内で全て開発するだけでなく、パッケージソフトの利用も検討材料の一つとなるが、その時も気を付けなければならないことは他業務との連携を考慮しなければならないことである。

この事は、社内システムの開発時のみならずISO、CI-NET、CALS/EC、国際標準等の社会的な要求に対応のためにも、基幹業務におけるコード体系などの全社統一は必修となろう。

1-2.非定形業務の情報化

今後PCの一人一台体制が一般的になることにより、単なる個人ベースのワープロや表計算等の使用であった「OA化」から情報の共有化への発展の中で、基幹業務からグループウエアーを利用した非定形業務の情報化が事務・技術分野を問わずあらゆる業務に利用されてくる。

コミュニケーションの迅速化、情報の共有化・ノウハウの蓄積、事務処理の簡素化・配布・回覧・承認のスピードアップ、電子決裁、電子稟議、電子通達等によるペーパーレス化、ワークフロー、ISO9000管理書類の統一、BPRへの実施(業務の簡素化)等々様々な狙いや目的があろうが経営資源・道具として様々な業務分野で拡大していくと思われる。




2.営業活動における情報化[Page Top][Back]

2-1.情報化による営業形態・手法の変化

情報技術の進歩と外部環境の変化から、紙による情報収集・伝達から電子データ(インターネット)による発注物件情報の収集と電子入札(CALSE/EC)や見積書・図面等のデータ伝送(CI-NET、CADデータ交換)等が各企業の営業形態や手法を大きく変化させる時代になってきた。

又、モバイルを利用して社外から報告やデータ検索や交換などの一部の業務において、情報化が実施されるようになる。

2-2.データベース化による営業支援

営業支援として自社の施工実績情報の効率的で迅速な提供、個々の営業マンが抱えていた業務ノウハウや顧客情報、物件情報を個人のレベルからチーム・部・会社レベルで情報を共有化できる顧客情報データベースや個別営業活動を強力に支援する受注活動支援データベースの構築が重要となってくる。

ITリテラシーを活用した情報共有を、会社の方針として位置付け、経営方針の全社への徹底や意思決定の迅速な対応を行うためにも情報の共有化の方針を全社で統一することが必要である。

1) 顧客情報のデ-タベ-ス化

施主、個人、人脈、施工物件等の情報データベースとのリンク

全社レベルの共有財産として利用可能なデータベースの構築が必要である。

2) 施工物件情報のデータベース化

施工物件情報をベータベース化することによってリニュ-アル物件へのアプローチが可能となり、過去に施工した施工情報を全社レベルで蓄積することにより、多様な切り口からの検索と資料の作成が容易になり、営業事務処理の効率化と顧客サ-ビス向上に繋がってくる。

営業・技術担当者を明確にすることにより顧客サ-ビスの向上が期待される。

3)受注活動支援情報のデ-タベ-ス化

物件担当者が不在でも、異動、個人のレベルからチーム・部課レベルで情報共有化することによって、活動経過報告、受注可否判断、戦略営業会議資料作成が可能となる。又、受注目標、利益管理、提案型営業活動支援にも受注活動支援情報のデータベースの構築が必要である。

2-3.設計・積算部隊からの支援

概略設計、原価見積・営業見積の迅速化

提案営業活動におけるマルチメデイア化




3.経理・購買・人事における情報化[Page Top][Back]

経理・購買・人事と言った所謂、管理業務は従来から会計処理を主体とした基幹システムとして運用されてきたが、近年のダウンサイジング化の傾向による設計・積算・施工と言った各部署でのネットワーク構築によるデータ共有や公開が行われているところと異なり、データの共有化や公開に踏み切れていないのが現状である。

社内LANもしくはイントラと言った全社的なネットワークが構築されてきた現在、情報化のハード環境は整い始めている。建設業界が今、最も求められているのはダブルスタンダードによる企業経営の曖昧さと秘密主義の経営、企業絶対の倫理ではなく、グローバルスタンダードに基づいた一般社会の倫理に合致した企業倫理の確立と、それに伴う株主の権利を優先する企業情報の公開と共有を進めることである。

3-1 情報化によるBPRの実施

管理部門における情報化は、グローバルな企業倫理に基づいた企業経営に必要な情報をリアルタイムで提供し、素早い経営判断を行うことのできる組織作りである組織のスリム化と体制を構築するBPRの実施が組織の活性化を計ることであり、株主への利益確保と企業の存在理由の確立の基本となる。従って、以下の事項の推進が必要である。

・組織のスリム化による業務の簡素化とスピードアップ。

・情報の共有と公開による経営判断の迅速化と決裁権限の委譲

・ネットワークを利用した電子決裁、電子稟議、電子承認などITの活用(ペーパレス化、ワークフロー)

ディスクロージャーを推進し、株主を中心に置いた企業経営
連企業との情報共有化による経営情報の迅速な把握
3-2 財務会計部門の情報化

建設業特有の財務会計処理を主体として構築してきた基幹システムから、グローバルな会計処理と株主を優先とした企業経営を行うための、新たな財務会計システムの構築と情報共有を行うと共に、社会に向けたディスクロージャーを基本とした企業姿勢が求められている。

財務会計部門においては、これらの企業体質の改善に必要な財務・会計情報の提供と経営判断に必要な情報の提供を可能とするシステム作りが必要である。

・管理会計業務の電子化(進行基準での決算、グループ力の評価、連結決算)

・企業経営情報の共有化、ディスクロージャー

3-3 購買部門の情報化

コスト削減やWTOによる市場の国際化は、受注金額の低額化傾向から資機材調達を海外から行うことも考えた対応を求められている。さらにCI-NETによるEDI化は、見積・発注・支払いに至る業務の電子化により資材調達のコスト削減の実行と同時に、業務の効率化による間接経費の削減を目的に進められている。これらを併せた業務改善を強力に進めるためにも、購買部門の取引先の管理を行う必要がある。

・取引先管理データベースの構築と情報の共有

・グローバル化による資材調達企業の多国籍化と業務の効率化

・見積、発注、支払い業務のEDI化

3-4 人事部門の情報化

人事部門は、従来から個人履歴や業務経歴、資格管理を主体とした人事管理システムが確立していたが、従来までの年功序列、横並び人事から能力評価(成果の評価)、年俸制、スペシャリスト制度への移行が取りざたされているところから業務内容や状況、業績効果を公平な判断基準の基に、適正な評価と配置を行うことが求められる。

・人事管理データベースの構築と共有(履歴、経歴、、写真、資格、配置などのデータベース化とネットワーク化)

・人事考課基準の客観化(オフィスワークの客観評価、生産性向上、業績効果)

・人事、営業及び施工実績などのDBの共有化(コード共有による一元管理)




4.設計技術業務における情報化[Page Top][Back]

設計・技術業務における情報化の推進の目的は、生産性の向上が第一番に掲げられる。

情報化による生産性の向上とは、経験・感にとらわれない、標準化された技術情報によって業務を行うことであると同時に、過去の類似物件等の実績データの有効な活用を考えるべきである。

4-1.図面のCAD化

CADについて、まず言えることは今後我々が作図業務を行っていく上で、「CADは避けて通れない道具」である事は間違いないと言える事である。

CADによる作図業務は、設計作業の効率化のみならず図面データの有効利用により積算ソフトと連動した材料拾い、3次元モデル技術による施工図への展開など多くの可能性を持っている。

現状、建築系CADは2次元が主流であり設備側だけでの3次元CAD化は困難な部分がある。

また、3次元データーの入力は入力工数が多く、設計作業が短期間であり、変更作業の多い設備設計分野ではネックとなるが将来の開発に期待を掛けたい。

4-2.積算業務

積算業務について考えてみると、業務の効率化の面ではコンピューター技術が非常に有効な手段である、数量拾作業の効率化や前述のCADデーターからの数量データー入力が活用できる事になる。また、コンピューターによる積算業務は、蓄積された積算データーを統計ソフトを使用して分析することが可能となり、施工物件等の概算予算や概算数量をデーターベースで把握する事で素早い概算見積り提出による営業支援や材料数量拾いのミスによるトラブルをチェックすることができる。

さらに通信技術の利用により、どこからでもアクセスが可能となり積算情報が場所を問わず受信可能となることは、積算作業の一層の効率化が推進される。

4-3.技術情報の蓄積・提供からグローバルスタンダード対応

コンピューター技術の利用による業務の効率化・高度化についていろいろ書いてきたが、作業の結果を有効に蓄積=データーベース化する事が重要である。作業を効率化するだけならば分散したPCがあるだけの「OA化」でよく、結果は個人の情報にしかならないが、この情報をネットワーク技術で利用して共有化してこそ真の「情報化」が行われる。

このことが「情報化=PCの導入」と言う「OA化」と根本的な差違であると言える。

建築業界におけるISO導入の推進や、CI-NET構想に見られる積算データーの業界共有化、建設CADデーター交換コンソーシアム等における設計事務所/建築会社/機器メーカー/CADソフトメーカー等が進めている標準化・共通化の検討の状況から空調衛生設備工事業界以外との連携が、言い換えるとグローバルスタンダードへの対応となりつつあります。




5.工事現場における情報化[Page Top][Back]

我々工事業者にとっての『利益の源泉』である現場を振り返ってみることにする。

今までの現場管理の状況を見ると、各社の現場によって多少違いがあるものの、企業として情報化の対応ができているとは必ずしも言い切れない気がする。ややもすると、現場所長に対応を任せっきりのところが多いのではないだろうか。

今の経済環境は、『いくらなら客先から仕事を受注できるか。どのようにしてその金額から利益を生み出すか』の厳しい状況にあり、単純な原価低減だけでなく、人件費・管理費をも含めて企業として、どこまで工事原価を下げられるかの競争になっている。いずれにしても、これからは今までのような現場対応任せでは、競争にうち勝てないのは明白であり、会社と現場が一体となって対応しなければならないのは勿論の事、時には同業他社・協力会社まで巻き込み、お互いの情報技術を有効活用して、対応していかなければならない。

このような対応をしていくためには、業務形態の見直し、組織の見直しなど必要不可欠で、企業のトップの参画なくしては成り立たない、つまり人任せの経営では対応できないのである。

5-1 異業種の市場参入

機器メーカーや総合建設会社・設計事務所が我々の守備範囲であった『設備分野』に参入してきているが、同時に他分野からもこの分野に参入を始めている。空調衛生設備工事業各社は、事業の効率化を目指して、特定業務に的を絞って技術力を発揮していく企業やエンジニヤリングに徹する企業、現場管理業務の効率を上げ、低コスト化をはかる企業など、『設備分野』の業務形態が大きく変わろうとしている。このように建設業界内外で、今までとは違った新しい競争環境が形成されようとしている。

急変していく経済環境や受注環境の中で、『現場が取り残されない』ように、押し寄せる情報化の波に、『利益の源泉である現場が取り残されない』よう、全社的な現場支援が必要となってきている。

5-2 技術情報の蓄積と提供・社内情報提供と一体化(コミュニケ-ションの充実)

今の顧客の要求は、施工技術・イニシャルコストだけではなく、LCC・地球環境問題など高度な技術力・特異技術であり、客先から要求される付加価値を的確にとらえ、それに応えられなければ受注・利益に結びつかない。その他にも、提出見積りの電子情報化・現場監理書式の統一/データ形式の統一など、様々な要求に迫られるであろう。現場担当者は、それらに応えるための予備知識を要求される。その為には、社内の技術情報は可能な限り電子化すべきで、今後は、その「DBの充実度合い=その会社の技術力」となる筈である。また、その社内に蓄積されている技術情報を、現場でもリアルタイムに活用できるような環境を築くとともに、それを有効利用するための技術の教育(OA教育)をする事、あるいは現場を孤立させることの無いような社内支援体制を固める事が先決である。

5-3 現場管理技術の高度化

情報化社会では、小さな組織(たとえば現場事務所単位)でも、ネットワークを活用することによって、より大きな組織(会社全体とか企業グループ)と同等或いは、それ以上の能力を発揮することが可能であり、文字情報の他に図面(2次元・3次元)・音声・画像などのマルチメディアを活用することにより、更に情報活用分野を広げることができる。

これらの情報技術は、現場管理業務を大きく変えようとしている。情報技術を駆使することにより、従来の数倍・ものによっては数十倍のスピードで処理できるようになってきている。しかも、上流から末端に至るまで、つまり協力会社への情報化手法が徹底されたときには、更に数倍の効果が期待できる。

このことは、現場の3K(『きつい』『危険』『汚い』)からの脱却の糸口になるのではないかと思う。

今後情報技術を使いこなせる現場と使えない現場との差は歴然と表れ、客先の立場で見た場合、当然の事ながら、仕事はその企業に発注されるようになるであろう。これらのことを考えると、企業最前線の現場事務所にも情報技術の活用は、欠かせないものとなってきている。

情報技術の活用の必要性は、現場管理業務の色々な面で問われるようになるであろう。たとえば、現場における災害事例など、リアルタイムな情報を提供する事により再発防止など危機管理体制の強化とか、3D-CADによるモデリング(可視化)・パワーポイント等によるアニメーションを駆使した説明等、客先・作業員へのプレゼンテーション、その他、現場入退場システムによる安全管理と労務工数の管理など、多方面にわたって効果を期待できる。

5-4 現場品質管理

最近、多くの企業で進められている『ISO-9000S』『ISO-14000S』認証取得についても、抱えきれないくらいの課題があると思う。認証取得に奔走する社内と『実践していく現場』とのギャップは大きい。

一般建築設備の場合の現場管理状況を見ると、かなり多くの管理書類が有るが、その管理書類が満足に作成・提出されているか。それに、品質管理記録がプラスされたISO9000s対応の管理書類の量たるや、従来の一般工事の書類の量とは比較にならないくらい多い。原子力工事とかプラント工事とは違って、ドキュメント管理に慣れていない現場員にとっては、従来と同じ感覚では対応しきれない筈である。ただ現場に押しつけるだけでなく、書類作成のシステム化・『ISO-9000S』対応システムなど、書類作成・保管・保存に関わる労力を軽減するような全社的な支援体制が必要である。

5-5 現場の標準化と共有化が進む。

世間一般に、ISO・CALS/EC等、『世の中の流れに乗り遅れるよ!』と言わんばかりに、内外からの圧力が激しさを増している。その押し寄せる波は予想以上に大きく、ただ漠然と捉えていると振り回されることになりかねない。要求内容は、提出見積りの電子情報化・現場監理書式の標準化/データ形式の統一・施工技術の電子化(DB化)・図面の電子化・社内書類の標準化・現場書類のシステム化など幅広く奥深い。これは、ネットワーク技術を利用してリアルタイムにこれら項目についての情報交換を進めていこうというのであるから、最前線の現場事務所にも情報技術の活用は、欠かせないものとなってきている。

特異技術は別としても、一般的な施工技術情報の共有化による品質向上は、現場が抱える大きなテーマの一つで、その効果は現場員の情報利用技術の向上にかかっていると言って良い。今、ISOやCALSには、あらゆる情報が瞬時に駆けめぐる組織の改革と情報を共有できる環境が必要であり、業務責任の所在と組織の明確化を必要とする業務見直しの絶好のチャンスでもある。

いずれにしても、現場担当者は、それらに応えるための予備知識を要求される。情報技術を駆使していかないと『世の中の流れに乗り遅れるよ!』と言いたい。

5-5-1 現場におけるネットワーク技術に関して

よく見られる現場ネットワークの形態は、様々であるが社内用と社外用に区分できる。

社外用はまた、現場ネットワークと管理者用ネットワークと別物だったり、管理という意味で負担になっていて、データの共有から本来一元化せねば合理化できない業務がネットワークという一見「情報化手法」を取り入れることで正当化できているようでそうではないのが現実であろう。

社内用ネットワークはデータのセキュリテイーの問題を含むので断定は出来ないが、少なくとも通信手順(プロトコル)やソフトは共通化すべきで、業界として現状推奨出来るネットワーク仕様を提案すべきである。それには「情報リテラシー」という言葉が象徴するように現場に必要なネットワーク仕様は何が適切なのか、構築予定のネットワークが現場業務に果たして有効に機能するのかを見極める力が必要になる。

ネットワークを使用した手法に現場内ホームページ構築がある。すでに一般からもアクセス可能な現場情報を発信している作業所も多い。現場員には現場指示事項、変更事項、作業工程、危険作業の徹底などの現場作業に関する情報の全体共有が可能である。さらに応用として変更・指示事項の徹底、全体作業の把握、安全指示の徹底、指示判断の明確化、曖昧指示の根絶が期待できる。

場内設置のITVによる現場進捗情報の公開は第3者に対して「現場作業のオープン化」と言う意味で業務内容の理解を求め、又管理者から見ればリアルタイムの品質管理手法である。責任所在の監視にも機能し判断の明確さを求める工程会議等にも有効であろう。工程写真に関してはアナログからデジタルカメラなどへの移行はプリントせずにネット上の作業確認行為に限定すれば威力を発揮する。

さらにISO9000S取得による現場管理書類の増加に対応して、書類の電子化、ネットワークを利用したデータの物件毎管理等により管理業務の効率化を計る。

5-5-2 現場におけるデータの標準化・共有化

これには、施工図作成といった現場業務の情報化と現場管理業務としての情報化との二つの業務が有る。建設CALS/ECのフェーズ2の段階に入ろうとしている現状においても、それぞれCALSに対応した業務として一部の業務が電子データ化され利用され始めている。

現場作業の作図業務としては、施工図面等のCAD化がある。電子データでの提出・保管により従来の施工図に付加価値を付けて(意味を持った図面)データの有効利用をする必要性がある。CAD化された図面データの交換及び活用方法としては(総合図の作成、材料拾い出し、ダクト及び配管CAMへの応用)が行われている。但し現状は設計CADは2次元が多く属性が入力されないでいる、将来は3次元CADにより施主へのプレゼン(ウオークスルー等)や、設計図から数量積算連動が可能になるだろう、IAIが提唱するIFC等も建築業務フローを考慮したときには有効な手段となる。

さらに施工図データの竣工図及び施設管理用図面への応用では、CAD施工図イコール竣工図、現況図になるべきで、現状のように目で見やすいように書き直した竣工図の必要はないのである。施設管理(FM用)においても属性データの無い中間ファイルは意味をなさないことになり、設備CADコンソーシアム作成のBe-Bridge等は付加価値を持ったままの変換ファイルという意味では価値有る中間ファイルと言える。

C-CADECの設備機器ライブラリー利用によるデータ共有は、ベンダー毎の各種メーカーデータの作成作業を統一しデータベース化する事でCADデータの利用を促進する。

現場管理業務での情報化としては

・打合せ議事録及び指示書の電子データ化

・電子メールによるデータ交換及び連絡

・現場管理書類の標準化(但し、当面は総合建設会社単位での標準化)などがある

・労務管理への「IC」の導入(個人経歴、資格・免許、健康診断、入退場など)

5-5-3 現場支援業務について

設計・施工技術のDB(最新技術、特許、事故例、応用例、運用実績データ)

技術情報の共有化、設計・施工コンカレント化

作図(CAD利用、コンカレント、ネットワーク、電子カタログ、アウトソーシング-社内支援部署を含む、IFCを含むデータ標準化)

5-5-4 その他

建設CALS/ECの推進と現場業務の効率化に対応していくためにも、以下の事項を進めていくことが必要である。

<今後、必要な情報化業務>

他現場とのネットワーク化
協力会社・資機材会社とのデータ交換(3Kからの脱却、CAD)
発注・納品帳票や書類のEDI化(CI-NET、書類の標準化、データの標準化、通信インフラ整備)
ロボツト施工,設備のユニット化,プレハブ化も標準化と共に発展
TCO(トータル コスト オブ オーナーシップ)の対応
オープンプロトコルによるビル制御システム
雑多な設備工事製品の規格の整理
100年ビル構想での設備工事業の対応
地球環境問題を考えた会社、事業所レベルでのLCCO2、サステナビリテイへの対応。
ここに、情報化の記事(現場はこう変わる)を抜粋して置く。

「ネットワークが発達すると、管理者は情報を、直接収集・選別し、判断を下す能力を求められる。

ネットワークによる現場支援により、企業内に、部門を越えた、最適で最強な組織(グループ)を編成できる。そのことにより、客先の要求(顧客満足度)に応えられる図面のCAD化の要求/積算情報の電子化/議事録・記録の電子データの要求/即応性(反応スピード)/電子メールの要求(メール会議)等は、三次元モデルによるシュミレーションを行うことにより、施工の効率・信頼性を高めることができる。」

業務形態を分析。現地一品生産。工程に関わる業種/企業が多岐に渡る。現場は本社(本店)営業所から離れている。




6.情報インフラの整備[Page Top][Back]

6-1 情報インフラの整備

近年、パソコンの高性能化と価格低下が進み、企業内パソコンネットワークの構築が目覚しいスピードで進展している。パソコンが一人1台という環境も、最早普通の業務環境になったといえるほどである。

ネットワーク構築にあたっては、まず通信システムを決定しなければならない。建物内LANはイーサネットが一般的*1である。支店間の通信はシステム構築の考え方により変わるが、基幹(勘定系)システムを支店間接続する場合は、専用回線を用いることが多い。

リレーションが必要ないシステムではインターネットを介したウェッブサーバー利用によるイントラネットを構築する場合もある。

現場-支店間は前記イントラネット利用かダイヤルアップ接続が用いられるが、システムに接続した端末の普及が進むとネットワーク通信データ量は飛躍的に増加する。

通信回線の容量増加、システム分散などの対処方法を検討しておくことも重要である。

通信機器ハードウェアの選定はネットワークシステム管理をどこまで行うかを意識しておかねばならない。端末の状況をリモートでモニターするまでを必要とするか、サーバーのみを管理対象とするかで大きく変わってくる。これはネットワーク利用者の知識レベル、専任の助言者(ヘルプデスク)がいるかなどにより決定するものである。

また、サーバーや端末として使用する機器(PC)についても操作性やメーカ問い合わせなどの管理を考慮し、少なくともメーカーは統一することが望ましい。現在のPCはモデルチェンジが頻繁であり、導入時期によって機種ばかりかOSも変わることがある。マクロを利用したアプリケーションでは正常に動作しない場合もあり、事前に調査することが必要である。

情報系ネットワークの構築・展開にあたってはいくつかのパターンの議論が見受けられる。議論の代表的なものは、「基幹系システムと技術系システムは別システムとすべきではないか」とか「技術系システムはWeb方式とすべきだ」というものである。どのようなネットワークシステムを選ぶかは企業のポリシー、経営方針などによるものであり本論の対象ではない。しかしながら、どのようなシステムを選択するにしても、デファクトスタンダードもしくはそれに近いシステムを選定することが将来のの自由度に大きく影響することは間違いない。また、選択したシステムが企業の情報化の方向を決定することになるため十分な議論を尽くすべきである。

企業の情報システムを分類すると次のようになる。

@基幹系システム(会計処理、伝票処理システム)

即時・多元処理(トランザクション)を原則としオンラインリレーショナルデータベースを用いる。

A技術系システム

当面の要求はデータ参照型データベースが多く、検索機能を高めたデータベースが用いられる。画像データを含むためデータのサイズも大きく、量も多い。

B事務系システム

事務系業務の多くは書類の配布、回覧、承認などのワークフロー型データベースである。これらの業務処理フローにはグループウェアが多く用いられている。

基幹系システムを別にすれば、他の情報システムは即時処理(トランザクション)を行う必要の無いシステムである。このため、基幹系システムの制約なしに情報系システムを構築したいという案も出てくる。

しかし、端末装置(PC)間の配線は違うわけではなく、同じライン上のシステムとすることができるため、最近ではウェッブブラウザを利用し支店間をイントラネットで結ぶ大規模なシステムの中堅総合建設会社採用例が報道されている。

また、基幹系のデータベースシステムにもウェッブブラウザからジャバアプレットを用いて接続するシステムも構築されつつある。インターネットの利用はシステム構築および通信費に関しては比較的安価であるが、セキュリティー確保については別途システム整備が必要である。

ネットワーク上で情報を扱う場合、ワープロや表計算ソフトの統一が必須である。この他にも技術系部門ではグラフィックソフトなどを用いることとなるが、管理上使用ソフトウェアの種類は最小限にすべきであることは、言うまでもないが、ライセンスの管理も厳格に行わなければならない。

ネットワークの構築とともに、ネットワークをどのように業務に生かして行くのか検討することも必要である。

技術系業務では、ネットワークを通しての情報参照、情報入手の要望が大きく、データベースシステムとコンテンツの作成が必要となる。この種のデータベースシステム構築のポイントは情報検索のスムーズさとアクセスセキュリティーの確保である。検索方式にはキーワード、全文検索、類義語検索などがあるが、利用するソフトウェアに依存するものである。キーワード方式は簡便で検索も早いが、キーワードの定義が情報入力者、検索者の双方で一致しない場合が多く、あまり推奨できない。

コンテンツについては作成方法、登録基準、廃棄基準を決定し、業務担当者を置くことが必要である。また、コンテンツを作成するソフトウェアも指定しておかねばならない。

事務系業務ではネットワーク上で書類を配布、回覧、承認などの一連の業務処理を行うことが主となる。ここでは書式の統一と業務フローの簡素化がポイントとなり、ソフトウェアとしてはロータス・ノーツなどのグループウェアソフトが主流である。

企業全体の業務フローの簡素化は組織変更そのものであり、トップの方針が出なければ実現は困難である。当初は部署内の簡単な申請・承認というフローから始めると良い。ISO9000の取得を目指す企業は、管理書類の増大に備えるために、グループウェアなどを利用した業務環境を整えることも検討すべき事項といえる。

また、セキュリティーの確保は企業の知的財産を守る意味からも非常に重要である。しかしながら、パソコンによるネットワークは基幹系オンラインシステムと違い、厳格なセキュリティー設定は困難である。情報化の担当者はこれを前提として重要情報は、社内公開データベースに登録しないなどの情報の階層化や公開範囲限定などの決定をして行かねばならない。

全ての社員がパソコンをネットワークに接続して業務を行うようになると、これをサポートする組織やヘルプデスク業務が必要となる。これを社員が行うとなると、ハードウェア、通信費用に加え、メンテナンスやサポートの間接の人件費が発生する。現状ではこれら費用と業務効率の改善を数値化して比較する手法は無い。したがって情報化担当者はヘルプデスクやメンテナンスのアウトソーシングなどトータルの情報化投資コストを小さくする方向を示してトップを説得することが重要となる。

例えば、PC導入機種および仕様をしぼり、集中的に購入することは目に見えないサポートコストの低減に有効である。

6-2. 規制緩和と法規制

情報化を推し進めるに当たって当面、障害となるのは現行法の問題がある。税法について言えば帳簿等は7年間の保存が義務づけられている、各社地下倉庫等に膨大な書類のスペースを確保せざるを得ない状況であろう。

電子化した情報媒体(フロッピーデイスク、CD-ROM)は改ざん、破損のおそれや、円滑な税務調査の障害となる等、当局側の理由で電子媒体での保存が認められていない。このような情報化推進の障害となる現行法(商法、税法、印紙税法等)は建設業界ならずとも全産業で見直しを図る必要性があり、国の早急の対応に期待したい。




用語説明[Page Top][Back]

VE方式
もともとアメリカの連邦政府で採用された方式・制度で、「目的物の本来の機能を損なうことなく、調達費用(工事費も含む)および運転経費の増加につながるあらゆる要因を取り除くこと」と定義されている。しかし、民間工事でのVE方式は、本来の目的とは異なり予算オーバーの設計に対し、機能を落としてイニシャルコストを下げるコストダウンを含めた提案をVE提案と称している。

今回、公共工事に対してVE制度の導入が試みられているが、そのVEの対象部分は「施工方法等」に限定されている。、設備工事は建築工事と異なり「施工方法」より「設備システム」に対してその効果が期待されるため、川上側を重視するよう発注者に主張していく必要がある。VE提案には、企業の技術力の結集が勿論必要だが「情報化」を進めることにより事例収集、効果測定、採用頻度の確認等に有効に機能するものである。

設計・施工一括発注(D&B)方式
公共工事におけるD&B制度は、いわゆる民間工事で行われている「総合建設会社一括発注方式」とは異なり、その対象は、特殊な施設等に対し、個々の工事会社が有する特別な設計・施工技術を一括して利用しようとするものである。

地方公共団体や地方自治体の発注者の中には、どのような建物においても設備を建築と一括発注できると誤解している発注者もいるようであり、業界として設備の分離発注について明確に提案し、推進していくことが必要である。

CM方式
1970年代からアメリカなどで様々な形態で採用されてきた方式であり、発注者の代理人あるいは補助者として、発注者の利益を守る立場から、設計検討、品質管理、工程管理、費用管理等の全体または一部についてマネジメントをする方式である。施主、設計事務所、総合建設会社、空調衛生設備会社、専門工事会社、協力会社等の役割と責任範囲が建築生産プロセスの中で契約形態を含めて明確になれば、空調衛生設備会社の技術力がより求められ発揮できる可能性が有り、メリットのある方式である。CMRとして、我々空調衛生設備会社も参画できる可能性は十分にあるものと考える。

PFI
イギリスで1992年に導入された方式で、社会資本整備を民間の資金、経営能力、技術力(ノウハウ)等を導入し実施しようとする事業方式のことである。PFIプロジェクトでは、投資規模が大きいためコンソーシアムを組むことが一般的であるが、我々空調衛生設備会社が@エンジニアリング力を生かして事業主体になることA施工技術・ノウハウを生かして施工主体になることB設備の運営管理を受託することなど、この分野への参画は十分に考えられるものである。

分離発注

従来より協会は、官公庁に対して分離発注の推進を働きかけており、中央官庁や地方自治体では、満足いくものではないにしても分離発注が一般的となっている。しかし、民間工事に対しは、今まで協会として分離発注への働きかけをほとんど行っていないばかりでなく、民間の施主に対する総合建設会社の営業力が空調衛生設備会社よりも格段に強く、結果として分離発注(コストオン含む)の比率は約40%に止まっている。今後、空調衛生設備会社が総合建設会社と対等な立場で工事を施工していくためには、施主に対し分離発注をお願いするしか方策はなく、施主に分離発注のメリットを訴え、理解してもらう必要がある

主な「分離発注のメリット」 「(社)日本空調衛生工事業協会資料より引用」

1,施主と空調衛生設備会社が直結することにより、敏速かつ適切な提言ができ、その結果、施主のニーズに的確に答えることができ、竣工後のメンテナンスまでを考慮した施工が可能となる。

2,施主が直接交渉することにより、各工事費が透明で客観性のあるコストとなり、流通コスト等も省かれるので、結果として工事費は安くなる。

3,空調衛生設備会社が直接請負の責任を持つことにより、一括発注の不合理がなくなり、専門技術力を十分に発揮した品質の高い施工ができる。

4,竣工時に施主の担当者に直接引き渡し説明ができるので、仮に故障や事故が起こった場合も迅速かつ適切に対応ができる。

但し、「分離発注の推進」にも問題点はある。「空調衛生設備のシステムとしての独立性、自己完結性という論拠では、総合建設会社が云う、総合施工の合理性→コストダウンという論法の前に、明確な反論を出せない。また、一方では地方公共団体等の発注者側に技術者が不足しているため「設備工事業の専門度の高さ・コスト面での有利さ等を理解することができない。」という主張もある。




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