活動報告
特集・委員会報告

「CAD委員会」の活動について

平成9年
(社)日空衛CAD委員会

はじめに

当会の設備CADに対する取り組みは、設備CAD研究会(平成6年1月に結成、同年7月の理事会で承認され技術部門に所属)で行ってきたが、CADに関する対外的諸活動の受け皿と活動の成果を会員に広く周知するためにも委員会として活動することが必要との判断から、平成8年7月の理事会で委員会設置について審議が行われ承認された。
第1回のCAD委員会は、平成8年8月20日に、その後第2回(平成8年11月21日)、第3回(平成9年2月5日)と開催している。
なお、CAD委員会の「事業内容」(設置時)は、次のとおりである。
1.CADに関する標準化、基準化に関すること。
2.官公庁、他団体等へのCADに係る要望、意見等の作成に関すること。
3.コンピューターネットワークの利用に関し、業界としての自主性の確保に関すること。
4.その他CADを含めた情報技術に関すること。
第27期(平成7・8年度)は、設備CAD研究会(参加企業30社・WG参加28社)で調査、検討されてきたことのとりまとめが活動の中心となっている。 設備CAD研究会の主な活動内容は次の通り。(「空衛」'96年4・5月号/9月号にも活動状況を掲載)

I.設備CAD研究会第1WGグループ

(1)設備CADにおけるVDT作業標準の策定

労働省の告示にある「VDT作業のための労働衛生上の指針について」〔以下、指針〕は、キーパンチャーを念頭に置いた指針であり、設備CADオペレーターのVDT作業(中程度・軽度の作業形態)についての具体的管理基準が明記されていない。 そこで、業界としての作業標準策定を目的に基本方針(下記)に則り指針案を検討し作成した。
次期には、同案に対する意見等を広く集め、とりまとめる予定である。
1.指針の内容を変えずにこれを遵守する。
2.作業内容に応じた作業形態の明確化
3.作業形態Aに準ずるB-Dの基準の明確化(指針上の作業形態はA-Dに分類されている。)

(2)設備CAD技術者共通試験

設備CADオペレーターの技術を客観的に評価できる「資格」を求める声に応えるため、平成8年6月、第1回目の設備CAD技術者共通試験〔以下、共通試験〕を実施した。(参加企業は、16社・262名であった。)
実施後、各社のアンケート調査から意見を集め、問題の難易度や設問数、内容(図面関係も出題する。)等について検討を行い、第2回目(平成9年10月頃予定)に向け、準備を進めている。
将来、業界としての認定資格試験になれば、設備CADオペレーターの評価(励み)になるものと期待している。

(3)CADベンダーとの意見交換会

CADソフトウェアの利用者側(当業界)と、開発側(ベンダー)との意見交換は継続し、更に、周辺機器のメーカー(プロッタメーカー等)に対象を広げた意見交換を行った。
CADのオペレーションシステムや機器能力の変化に迅速に対応するため、今後もベンダー、周辺機器メーカーとの意見交換会は行っていく予定である。

(4)CADオペレーター座談会

毎日CADで仕事をしているオペレーターの立場からCAD運用のあり方や利用方法、更に、将来について、素直な意見交換を行う場として「CADオペレーター座談会」を実施している。
身近な問題を中心に、毎回、活発な意見交換が行われているが、参加企業が一巡したため、平成9年で、ひとまず活動に区切りを付ける予定である。

II.設備CAD研究会第2WGグループ

(1)設備作図マニュアルの作成

CAD技術者のための設備作図マニュアル(空調設備編・衛生設備編)を作成した。 当初、研究会の資料としてまとめ、参加各社で利用しながら、順次改訂を行ってきたが、平成9年1月の理事会で、報告書とすることが決定、急遽、各社で分担し、短時間でとりまとめた。
空調設備編は、建築図、他設備との取合い、作図上の留意点等、作図技術について分かりやすく簡便に説明した。衛生設備編は、設計図から施工図を作成するために必要な設備設計図、建築意匠図及び構造図、カタログ、参考図書等を手順にそった作図資料としてまとめた。
今回WGメンバーで分担、作成した資料をそのまま版として利用したため、不十分なところもあるが、会員の皆様のご意見を戴き、改訂時に更によりよいものとしたい。

(2)空気調和・衛生設備CADシンボル基準の策定

(社)建築業協会設備CAD小委員会との間で協議しながら、標記シンボル基準を策定した。
今後、標記シンボル基準の普及促進と新しいシンボルの作成については、当会と空気調和・衛生工学会で協議しながら進めていくことになる。

III.設備CAD研究会第3WGグループ

(1)「電子カタログ化標準仕様方針案Ver1」

「電子カタログ化標準仕様方針案Ver1」(平成7年度策定)〔以下、方針案〕の詳細部分の詰めとCADベンダー・メーカーへ方針案を提示し、業界内標準になるように働きかけた。
機器メーカーを対象にした調査(78社中回答35社)により、方針案の実施への目処が得られた。
今後、機器・メーカー毎に問題点を明確にして、データ供給の実施へ働きかけていくこととする。

○建設CADデータ交換コンソーシアムへの協力

「建設CADデータ交換コンソーシアム」に参加、統一データ交換基準として「方針案」を提示、図面情報に関しては、CADレイヤーの分類、機器図の展開方向の分類、接続口の用途記述法などで方針案が利用されることとなった。

(2)総合図

施工現場での総合図の作成は必須の業務となっているが、CADデータを利用した作成業務は、簡易に出来る業務となっていないのが現状である。
WGでは、「CAD総合図作成に関する新工夫」(平成7年度提案)について、具体的活用のための技術(方法)を調査し、統一したフォーマットでのデータ交換の可能性を追及している。
今後、CADベンダー、プロッタメーカーとの意見交換等を通じて、本提案の具体的活用、推進を行っていく。

IV.外部委員会

当委員会委員(委員会社)が、CADに関する外部の委員会等へ参加、活動を行っている。
主な参加委員会等は次の通り。

委員会等名称主宰団体名
建設CADデータ交換コンソーシアム(財)建設業振興基金
CI-NET(財)建設業振興基金/建設産業情報化推進センター
建築設備CAD活用委員会(社)公共建築協会
建築設備施工合理化研究会CAD分科会(財)先端建設技術センター
設備・FM分科会IAI日本支部
規格委員会・図示記号改定小委員会空気調和・衛生工学会

おわりに

CAD委員会の今後の活動については、継続、新規事項を含め事業計画案を作成し、技術部門副会長に提出している。
CADを含めた情報技術へのフレキシブルな対応ができるかどうかが、空調衛生工事の設計・施工・管理・保全を生業とする当業界企業にとって、分水嶺となってくるのではないだろうか。
CAD委員会の活動に対する、ご意見等ございましたら日空衛事務局までお寄せ戴きたい。

1.第27期より継続するテーマ
1)VDT作業標準の提案
2)空衛技術者共通試験
3)空衛マニュアルの整備
4)電子カタログの標準化
5)CADベンダー意見交換会
6)CADオペレーター座談会
2.第28期よりの新しいテーマ
1)CAD/CAMへの対応、研究
2)CAD委員会、情報の共有化、ネットワーク化への検討