コラム「放送大学について」

2026/02/27
非営利活動法人 設備システム研究会
大久保


私は一度大学を卒業しているのですが、2016年4月に放送大学へ入学し、2021年9月に卒業をしました。3年次編入で入学しているので、人によっては2年で卒業できるところに5年半かかったことになります。
放送大学という大学があることは、なんとなくご存知の方も多いとは思うのですが、実際にどんな大学なのかはあまり知られていないようにも思うので、少しご紹介してみようと思います。

放送大学で学べる内容

放送大学は教養学部教養学科のみの単科大学です。教養学科の中に6つのコースがあります。
■ 生活と福祉コース
衣食住・家族・健康・福祉など、生活に関わる諸問題の理解を深める
■ 心理と教育コース
持続可能な社会の実現に向けて、発達の支援と教育に必要な基本的知識および考え方を習得する
■ 社会と産業コース
変動する社会と産業の基本的なしくみを理解し、持続可能でゆたかな社会を生きるための知識と技術を身につける
■ 人間と文化コース
人間の思想・文学・芸術のありかたなどの理解を深めるとともに、現代文明と地域文化・社会について、その特質と発展の歴史を探る
■ 情報コース
情報化社会の中で生活する者にとって欠くことのできない、情報のありかた、情報技術に関する概念と知識を習得する
■ 自然と環境コース
人間活動と自然との関わり合いを認識することで、持続可能な未来に向けた実践と判断の能力を養う

入試はないけれど合格通知

入学するための試験はありません。必要な書類を提出して不備がなければ「合格通知」が届きます。
卒業を目指さなければ、1年間(2期)在籍する選科履修生や半年(1期)在籍する科目履修生という選択もあります。
私は「心理と教育コース」を選択し、卒業を目指す全科履修生の出願をしました。試験を受けていなくても「合格通知」が届いたときには、なんだかとても嬉しかったことを覚えています。

ワクワクの履修登録と授業について

受講する科目は1月と7月頃に届く「授業科目案内」という冊子を見て選択します。
私はこの作業が一番楽しみでした。6つのコースのすべての授業を受けることができるので、さまざまな分野の授業が選び放題です(もちろん選んだだけお金もかかりますし試験も受けなくてはいけません)。
授業が始まると楽しんでばかりもいられませんが、受講する科目を選ぶ作業はとてもワクワクしました。放送大学の学生(SNSでだけかも?)は「授業科目案内」などの履修登録の書類が入った郵便物を「お楽しみ袋」と呼んでいるので、同じような人は少なくないと思います。

授業はラジオ放送とテレビ放送の2種類がありますが、今はどちらの授業もWebで視聴ができるので時間は制限されません。
私が在籍していた頃から「オンライン科目」が少しずつ増えてきました。オンライン科目では受講生同士のディスカッションもあるのですが、掲示板のような形なので期限はあっても受講する時間に制限はありません。
今は、私の在学時にはなかった「ライブWeb授業」というZoomを使った授業もあるようです。

履修登録した科目はその期に単位がとれなくても翌期に再受講することが可能です。私はかなりの単位を再受講で取得しました。

面接授業

面接授業も卒業するためには必要な単位数の受講をしなくてはならないので、全国各地にある学習センター実施のものから、選んで申し込みます。面接授業というのは実際に教室で担当の先生の授業をうけるものです。
面接授業は受講者数の上限がありますので、人気があって申し込みが多い授業は抽選となります。これがなかなか当選しません。
私も資格認定のために必要な科目がなかなか当選せず、最後の期で当選しなかったらどうしようと、ハラハラしました。(当選して受講できました)

学習センターは全国各地にあるのですが、学習センターごとに実施する面接授業には違いがあり、これもシラバス(授業案内)をみているだけでも面白いのです。
実際に面接授業に出席すると、必ず数人はキャリーバックに荷物を詰め込んで遠くから参加する学生がいます。担当の先生よりもずっと年長の学生がいることも珍しくはありません。みなさん活き活きと授業に参加されていました。

単位認定

受講した科目によりますが、レポートの提出や単位認定試験の合格などによって単位がもらえます。
私が入学した当初は試験会場へ行って試験を受けましたが、途中からコロナ禍になってしまったこともあって、オンラインでの試験になりました。(今はどちらで受験するか選択できるようです)
授業は基本的に自分の都合にあった時間に受けることができますが、会場での試験は平日にも行われ、決められた日時に受験をしなくてはならないので大変でした。
試験の内容は難しいものが多かったです。教科書の持ち込み不可はもちろん、持ち込み可のものでも、簡単には解答できないような問題が多かった記憶があります。

学割・・・使えます!

放送大学の学生証はもちろん学割の証明に使えます。怪訝な顔をされたこともありましたが、在学中は美術館や映画など大学生料金で見ていました。
Amazonプライムは6年間(8年間だったかも)学生会員でした。Adobeの製品も学割で使用していました。

卒業証書

卒業式も行われるのですが、私は都合が悪く出席できませんでした。
後日、とても立派な、「見せろ」と言われたらどこでも喜んで何十秒でも見せたくなるような、卒業証書が送られてきました。受け取ったときに少し感動したことを覚えています。

今思っていること

将来、大学院で心理学を学んでみたいという気持ちがあって入学したのですが、卒業するころにはあまり現実的ではないと思うようになりました。もしかしたら将来、大学院に挑戦することがあるかもしれませんが、今は考えていません。
放送大学の6つのコースをすべて卒業したというツワモノも世の中にはいます。私はそこまでは考えていませんが、また、お楽しみ袋を開いてワクワクしてみたいな…とは、ときどき思っています。