コラム 「超アナログ人間」のその後

2025/08/29
非営利活動法人 設備システム研究会
サブコンのHIRO


約4年前に「超アナログ人間」というタイトルで投稿したが、今回はその「超アナログ人間」のその後について書こうと思う。
投稿から約1年後に定年を迎え、そのまま退職することも考えたが、資産運用がコロナの影響もあって予定通りにいっていなかったので、とりあえず再雇用の嘱託で働き、昨年からは週休三日で勤務している。
定年を機にある程度時間が自由になったので車中泊ソロキャンを始め、何か所か行っている中、YouTubeで「無料で高規格なキャンプ場」の存在を知り、行ってみたら噂通りの高規格だった。
その名も「木曽駒冷水公園」。東京からだと約4時間半掛かるが、一度は行く価値があるので皆さんも是非。
元々は木曽駒高原スキー場だったが、20年前位に閉鎖して以来放置されていたとこに駒ケ岳の雪解け水利権を目的に外資が参入してきて、それを阻止するために地元出身の現管理者が町から土地を借り受け4年前位からボランティアの手を借りながらキャンプ場にしている。その志に賛同する人たちが多い時には50人位ボランティアに参加している。
その管理者の経歴も面白く、大学卒業後に大手ゼネコンに就職したが、建設現場で検査に来た公務員を見て「自分もそっち側の人間になりたい」と退職し、横浜市役所へ入職して公共建築物設計、建築確認や開発許認可などに携わった後に建築設計事務所を設立して保育園、障がい者施設、美容院の運営、不動産事業など幅広く経営しながら木曽駒冷水公園の整備拡張を続けている。
私は昨年の4月から毎月1回4日間のペースでボランティアに参加している。昨年はほとんど薪班に参加し、薪割りと薪詰めの作業を行ったが、年なので薪割りはほどほどに多くは薪詰めの作業をしていた。
薪詰めにもコツがあり、針金に丸くぎっしり綺麗に詰めるのは結構難しい。最初の頃は最後の1本と思い詰めると他の箇所が緩んで抜けそうになるので、そこにまた詰めるとまた他の箇所が緩んで。。。これを何回か繰り返すと針金が耐え切れず「パン!」と切れてバレてしまう。
今年からは薪班だけではなく、掃除班、草刈り班、電気班といろんな作業に参加している。
草刈り班では初心者にエンジン式の草刈り機を扱わせるのは危険なのでできないということで、手鎌で作業していた。腰痛に耐えながら草刈りをしている横でエンジン式の草刈り機で気持ち良く刈っているのを見て私は思った。「自分もそっち側の人間になりたい」と。
そこで、地元のボランティアの人に始動方法、操作方法、注意事項を教えてもらい、今はエンジン式の草刈り機で作業をしている。
電気班では屋外の休憩所へ電気を引き込むための屋外埋設配管の穴掘りをしたのだが、その時の会話で、「シャベルを持ってきて」と言われたので「スコップですか?」と聞き返した。
私の中では穴を掘る大きいのがスコップで、園芸用の小さいのがシャベルという認識だったので、それを言うと神戸の人が「いやいや逆だよ。大きいのがシャベルで小さいのがスコップでしょう」と言う。それを聞いていた名古屋の人が「いやいやそうじゃないでしょ。先が平らなのがシャベルで、先が尖っているのがスコップでしょう」???
後で調べて分かったが、「スコップとシャベル」は地域にとって認識が違うらしい。
そんな会話をしながら3人で穴掘りをしていたら、ガタガタガタァと70歳越えで地元のボランティア常連の爺さんがミニユンボでやってきて、3人がかりで30分位かけて掘った量を10分位で掘ってしまった。それを見て私は思った。「自分もそっち側の人間になりたい」と。
いずれ小型ユンボの免許も取得したいと思っているが、その準備としてラジコンのユンボを購入して練習をしている。
そして、定期的に木曽駒へ行くようになったことでハマっていることがもう一つある。それは木工旋盤。
木曽といえば木曾檜。木曽駒冷水公園では大小様々な木曾檜の1枚板が販売されていたり、端材が手に入るので、「これを使って何かできないかなぁ〜」と考えた結果木工旋盤を始めることにした。現在木工旋盤教室に通っていて、9月には木工旋盤を自宅に設置する。
何を作るかというと、、、ぐい呑みや小皿も作る予定だが、まずは「木軸ペン」をメインに作ることにしている。デジタル化が進んでいる現在でも「木軸ペン」は根強い人気がある。
デジタル派の人はiPadに電子ペンで「スラスラ」と書くのが心地良いかもしれないが、アナログ派の私は机に紙を置き「コツコツ」という音を聞きながらボールペンやシャープペンで文字を書く方が心地良い。
また、ボールペンやシャープペンにもこだわりがある。ボールペンのリフィル(インク)はジェットストリームがお気に入りで、シャープペンは0.4mmの芯がお気に入りである。しかし、0.4mmのシャープペン用のペン金具は販売されていないので、市販の0.4mmシャープペンを分解してカスタマイズできないかをいろいろと考えている。そんな時間が実に楽しい。
既にボールペンは何本か木工教室で作っているが、同じ形、同じ太さ、同じ重さに作れるようになるにはまだまだ時間が掛かるので、それまでは作ったペンを今までお世話になった人に配ろうと考えている。
結論。「超アナログ人間」は更に進化していた!