コラム「発達障害とトレーニング」
2025/02/28
非営利活動法人 設備システム研究会
ベンダーのMS
初めてコラムを担当します。
私が週末に受講しているペアレントトレーニングについて記載したいと思います。
私は、現在3歳になる息子がいます。1歳半健診で発達遅れについて指摘があり、児童発達支援を受けています。その中で、親が子どもとの関わり方を勉強する講習会があり、受講することにしました。
発達遅れや発達障害があると、じっと座っていることができない、癇癪を起す、大きな声を出してしまうといった場面が多々あります。その年齢でできて当たり前のことが、出来て当たり前ではないことが多いです。
ペアレントトレーニングでは、困った行動に目を向けるのではなく、行動後の関わり方や、行動が起こるきっかけ・環境に着目し、どうして行動が起こるかを考え、良い行動ができるよう「ほめる」「整える」「伝える」で対応する方法を学びます。
講習で参考になった箇所を下記に紹介します。
■ほめる
「ほめる」ことは、「自己肯定感を高める」「対応する大人との関係を良くする」と言われています。
理想はほめて子育てをしたいと思いますが、困った行動をしたときは「ダメ」とついつい怒ってばかりになり、なかなか「ほめる」ことが少なくなってしまいます。
受講してよかったことは、ほめることを増やすために「ほめるハードルを下げる」ことを学べた点です。
例えば、「おもちゃを片付けしようね」と言って、結果としては片付けが出来なくても、その途中の行動でほめられるポイントを探します。「ママの指示を理解した」「片付けようと行動しようとした」など出来なくても途中経過をほめるという点は参考になりました。
「ほめる」ポイントを探していると、目立っていた困った行動が小さく感じることができ、私自身もイライラすることが少なくなっていると思います。
■整える
「気になるものや苦手なものを取り除く」、「予定や指示を視覚的に示す」ことで良い行動が出来るように整える方法を学びました。
息子の場合、保育園帰宅後、おやつ前に手を洗うため洗面所に連れて行くと、おやつをもらえないと思いこみ、癇癪を起すことがありました。
自宅に着く前に「手を洗う」「おやつ食べる」という流れを絵で説明することで、癇癪をおこさずに済むようになりました。
年齢に関係なく、事前にやること・期限を伝え、見通しを立てることは重要だと感じました。
■伝える
子どもに指示をしたときになかなか行動してもらえないといった場合もよくあります。行動できない原因は、「聞いていない」「理解できていない」「興味がない」があり、各々の対応方法を学びました。
特に「理解できていない」は、私自身が意識的に言葉を選ぶ必要があると感じました。普段、「ちゃんとして」「ちょっと待って」「きれいにして」と声かけしてしまいます。子どもにとって「ちょっと待って」とはどのくらい待てばいいのか、「部屋をきれいにして」とは何をすれば良いかが分からないから、行動出来ない。つまり、「理解できていない」状況になっているとのことでした。
受講後は、「ちゃんとして」と言った後に、言い直すことが多く、いかに普段曖昧な伝え方をしているか気づくことが出来ました。
息子の発達支援の関係で受講しましたが、今回学んだ点は、若手社員の教育にも役立つ内容と感じました。ほめて自身を持ち次の行動に繋げる、業務がしやすいように環境を整える、仕事の内容を理解してもらうという点で、通じる物があると思います。
最後に、発達障害の特性にもよりますが、息子は見るものすべてに興味あり、初めて行く場所は特に動き回ってしまいます。外から見ると躾が出来ていないと感じます。もし同様の子どもを見かけたら、あの子は発達障害かもしれないと寛大な心で接してもらえると有難いです。