コラム「鹿之助のメンタルがほしい」

2024/06/30
非営利活動法人 設備システム研究会
三木秀樹


昨年末、ガーナへ行った。チョコを買いにーっ。
って、ウソです。ホントは仕事でーっ。仕事とゆーのは、病原体を扱う実験室のフィルターを交換する作業のお手伝いだ。つーか、年齢制限はないのかよ。
写真1 ガーナへの航路
土曜の夜に出発して日曜の夜に到着する予定だったけど、乗り継ぎに失敗して、月曜の朝に到着。オマケに荷物はロスト。最初からキビしいなぁ。むーん。
まぁ、仕事の時間には間に合ったから良しとする。ジャパニーズビジネスマン(?)が初日から遅刻じゃ、カッコ悪いからなぁ。
写真2 ガーナ市街
さて、仕事開始だぜぃ。と思ったら、機械室でマサカの大漏水。塩ビの補給水管が破断して、制御盤に落水して、いくつかの制御機器が水損して、空調機器は全停止。いきなり、お先真っ暗。むーん。
日本の業者が設計・施工したんでしょーっ。まだ5年しか経ってないんでしょーっ。と思うけど、オールジャパンなので、文句も言えない。
写真3 破断した配管
このままでは仕事にならないので、本来の仕事じゃないけど、日本の業者と相談しながら現地スタッフと応急修理。無事だった制御機器をやりくりして、2室ある実験室の1室の給排気を何とか復旧。でも、復旧のために3日をロスト。イタイなぁ。むーん。
着工が遅れても竣工は遅れないとゆー、クレイジーな日本の伝統は守れるのか。
写真4 水損した制御機器
病原体を扱う実験室のフィルターを交換する時は、フィルターに病原体がいらっしゃるかもしれないので、事前にガスで滅菌する(全ての微生物を殺す)。
滅菌に使うガスは定番のホルムアルデヒドガス。もちろん、人様にももれなく有害で、居室の許容濃度は0.08[ppm]以下(建築基準法)、工場などでは0.8[ppm]以下(労安法)。対して、滅菌作業中の濃度は700〜1000[ppm]、つまり許容濃度の約千倍。って、こえー。
写真5 滅菌作業
なので、滅菌中はトラブルが発生しない限り入室しない。でも、なぜかトラブルって発生するんだよなー。ゲホゲホ、死ぬかと思った。むーん。
そのまま一晩置いたら、アンモニアガスで中和して、換気。続いて、制御機器を入れ替えて、もう1室。何かと手間がかかって、気付けば夜なべ。
写真6 市街の夜景
そして、ようやくフィルターを交換。でも、壊れやすいから丁寧に扱ってねー、とお願いしたけど、あー、やっちまったよー。貴重品なのにー。むーん。
こんなにヒドいと補修もムリ。ここまで辿り着いたのに、万事窮す、かと思ったら、何と予備のフィルターがあった。最後に、漏れ試験をしてゴォーール!
写真7 破損したフィルター
いやー、ホントに、人は間違う機械は壊れる、だなぁ。最後に帳尻は合ったからいいようなものの。
ガーナのチョコがホロ苦いぜぃ。
写真8 ガーナのチョコ