コラム「社内で注目された、コストニュース」

コラム「社内で注目された、コストニュース」

2023/08/04
非営利活動法人 設備システム研究会
サブコン定年退職したY


私が以前在籍していたサブコンでコストニュースという社内報についてお話ししたいと思います。工事部員のコストに対する意識が低く感じていました。そこで意識改善のためにコストニュースを発行することになりました。
少額な部品や金物など(社内購買を通らない品物)の品物を1000円だったり850円だったり各個人の交渉で購入していました。そのことが社内の現状でした。
そのことを解消するためにコストニュースと言う価格情報の掲載しているA4一枚の情報を工事部員全員に配布しました。この配布したコストニュースは話題を呼び、工事部員としてコストニュースの価格より高い金額で購入している工事部員さんが何人もいて数多くの問い合わせがありました。本当にその価格で購入できるの?本人としては一番安く購入していると思っているからです。個人のプライドが傷ついたのかもしれません。逆もしかりで、工事部員が興味を持ってくれて私の現場での購入価格はコストニュースの価格よりOO円安く購入している・・・報告が頻繁に入ってきました。

コストニュース目次の一部とニュース1号の見本の写です。

発行に当たっては一週間に一部、年間五十号を発行しました。この辺でコスト意識が高まったので発行を停止する予定でしたが、発行継続の要望が何件もあり結局100号まで続ける羽目になってしまいました。
タイトルの付け方については結構苦労し、タイトル作成はスポーツ新聞の記事と同じような見出しで(▽▽選手逆転50号ホームラン)一瞬で読めるような目を引くキャッチフレーズとしました。
コストニュースを各現場に紙で配布したり、FAXで配布したりすべての工事部員に行きわたるような工夫もしました。その結果未配送の現場があった時に、ニュースの番号がついているために未配送の歯抜け部分については担当者から問い合わせがあり、00号が来ていないが送信してもらいたい。各担当者においてコストニュースを見るのが楽しみになっていたのです。
私は工事部員に会うごとに「スパイラルダクト100φ、1メートルの単価は」と聞くと「缶コーヒー1本の価格」という答えが返ってきました。これはコストニュースのキャッチフレーズになっているタイトルなのです。
こうして、工事部員がコストについての意識が高くなってきました。またコストニュースが浸透したので当初は東京本店工事のみに配布していましたが、設計部や各支店にも配布の要望が来て全国ネットで配布するようになりました。このことは会社からの評価はなかったものの工事担当者からの評判が良かったので、よしとします。これも退社してからは良い思い出となっています。これからも皆さんに親しまれる発行物を作成していきたいと思う今日この頃です。