コラム「DXと働き方改革について」

コラム「DXと働き方改革について」

2021/12/31
非営利活動法人 設備システム研究会
R.O


本コラムを作成する上で私自身の経験や知見が他のコラム執筆者に比べ少ない点をご了承の上、お読みください。
まずDXについてですが、昨今、世の中の流れに伴い建設業でもDXが推進・展開されています。DXとはデジタルトランスフォーメーションの略であり、「IT技術を浸透(融合)させ、人々の生活をよりよいものに変革させる概念」になります。 ここで自分自身の話になりますが、入社から約10年が経過しベテラン社員と若手社員の中間である中堅層に突入しました。社内ICTについて考えると入社時には弊社では携帯電話(ガラケー)のみが配布されていました。現在ではiPhone、iPadが社員一人に1台配布され、定期的にアプリの社内講習会や、ICTの部署が新設されるなどICT環境が整備されてきたと感じております。
建設業DXでは主にBIMやアプリを用いた効率化が行われています。 BIMとはビルディングインフォメーションモデリングの略であり、従来のような2次元をベースとした作図手法ではなく、モデルに情報を与え更新していく作図手法になります。BIMでは3次元で表現することにより合意形成を行うことや、従来の作図に加えて様々な情報をBIMデータに取り込むことで、作図の効率化・現場での業務効率化を行っています。 アプリでは例えば、従来工事写真撮影を行い、帳票を作成し、提出書類を作成していた流れから、アプリ上で帳票を作成し、客先によってはデータでの承認など多くの効率化が行われています。
次に働き方改革についてです。従来建設業では労働環境から「きつい」、「きたない」、「危険」の3Kというイメージが定着しており、建設業従事者の不足や若手社員の早期離職が問題となっていました。また、建設業の時間外労働についての問題が大きくメディアに取り上げられることもありました。 現在では、時間外労働の上限規制が2020年4月より中小企業にも適用されるなど、現在進行形で働き方についての見直しが行われています。建設業では時間外労働規制に猶予期間がありますが、2024年4月より他業種と同様の規制が行われます。 建設業の目指すべき新3K(「給与」、「休暇」、「希望」)も示され、今後さらに働き方改革が推進されていくと感じています。
上記よりDXと働き方改革は、今後の建設業の為に取り組んでいくべきことだと思っております。 現在は建設業全体でのDX、働き方改革の移行期であり、DX検証によるなれないアプリの操作方法取得や検証結果の報告などの業務負荷などがあり建設業全体で多忙になっていると思います。人によっては本来の業務に支障をきたしている方もいると思います。しかし、今後の建設業の為には乗り越えていかなくてはいけません。 また、DXを取り組む上での大きな課題は、「ベテラン社員のICTに対する苦手意識」や「若手社員の技術力不足」をどう乗り越えるかだと考えております。 ベテラン社員には蓄積されてきた技術力があり、若手社員は常にICTに囲まれて育ってきた為、ICTに対する理解が優れています。 いろいろな課題はありますが、DXを推進させながらベテラン社員の技術力と若手社員のICT力を双方が尊重し、学び、融合させていくことが建設業をよりよいものにしていくのだと思います。 私自身もその中堅層として様々なことにチャレンジしていきたいと思います。 建設業全体がよりよい環境で仕事ができ、今より更に憧れられるような業界になることを祈っています。